TOP > 財務分析レポート > adidas Group、2019年12月期本決算 全地...

adidas Group、2019年12月期本決算
全地域でプラス成長し、増収増益に

update: 2020/03/16

adidas Groupの2019年12月期は 増収増益を達成した (画像は決算資料から抜粋)

adidas Groupの2019年12月期は
増収増益を達成した
(画像は決算資料から抜粋)

adidas(アディダス社)の2019年12月期本決算は、主力の欧米市場をはじめ全地域でプラス成長を果たし、増収増益を達成した。特に北米やアジア・太平洋地域、ロシア地域の伸びが大きかった。

北米、アジア地域が貢献

adidas Group、2019年12月期 財務数値一覧(表1)

adidas Group、2019年12月期
財務数値一覧(表1)

連結売上収益は、236億4,000万ユーロ(約2兆8,604億4,000万円、1ユーロ=121円で換算)、7.9%増と安定した推移だった。売上総利益率(粗利率)は52.0%(0.2ポイント増)と改善した。販管費率は41.6%(0.3ポイント減)と減少した。収益性が高まったことで、営業利益が26億6,000万ユーロ(約3,218億6,000万円、同)、12.4%増と2ケタの増益を達成した。

税引前利益は財務上の経費の増加が影響し、25億5,800万ユーロ(約3,095億1,800万円、同)、7.6%増と小幅な伸びに止まった。当期純利益は19億7,600万ユーロ(約2,390億9,600万円、同)、16.1%増と2ケタの増益だった(表1を参照)。

adidas Group、2019年12月期 地域別・ブランド別売上高(表2)

adidas Group、2019年12月期
地域別・ブランド別売上高(表2)


地域別の売上高では、「Europe」(欧州)が60億7,100万ユーロ(約7,345億9,100万円、同)、3.2%増と堅調な推移。「North America」(北米)地域は53億1,300万ユーロ(約6,428億7,300万円、同)、13.3%増と2ケタの増収を達成した。日本を含む「Asia-Pacific」(アジア・太平洋地域)は、80億3,200万ユーロ(約9,718億7,200万円、同)、12.5%増と好調に推移した。売上額は欧州や北米よりも多く、全地域中でトップである(表2を参照)。

特に成長した分野は、「アディダス」ブランドの北米ビジネスで、7%の増収。また、「Greater China」(中華圏)の売り上げも15%増と2ケタの伸びだった。Eコマースは34%増と順調に成長を続けている。

通期の売上収益は6.0-8.0%の増収を計画している。新型コロナウイルスの影響で、今年1月下旬から「Greater China」の売り上げが落ち込んでいる。第1四半期(1-3月)の「Greater China」の売り上げは、前年より8-10億ユーロ(約1,000億円)下回る見通しだ。連結の第1四半期は前年同期比10%の減収になる予想である。