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スポーツ上場6社、2020年3月期第3四半期まとめ
増収増益は2社、難しいかじ取りが求められる

update: 2020/02/25

上場スポーツメーカー6社、2020年3月期 第3四半期一覧(表1)

上場スポーツメーカー6社、2020年3月期
第3四半期一覧(表1)

スポーツ上場6社の2020年3月期の第3四半期(4-12月)連結決算が出揃った。増収増益を達成したのはゴールドウインとヨネックスの2社で、各社で格差が表れた。増税や暖冬など、消費に対する逆風も少なからず影響したようだ。

ゴールドウインが好調を持続

対象となるスポーツ企業は、美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、グローブライド、ゼットの計6社(順不同)。いずれも3月期決算の企業である。増収したのが4社、増益は3社。増収増益を達成したのはゴールドウインとヨネックスの2社だった。各社で収益の傾向に差が表われた。

ミズノは減収、微増益。国内はスポーツ施設事業や体育器具が堅調だったが、スポーツ品が苦戦した。欧米はゴルフ品とランニングシューズが好調で、増収を達成した。アジア・オセアニアはChinaのリテール事業が縮小した影響で減収に至った。利益面は、米州やChinaの事業構造が改善したことで、利益率が向上した。地域別では米州が売上高152億円(8.6%増)と回復基調にある。

デサントはデサントコリアの不買運動の影響が長引いていることもあり、減収減益に至った。消費増税や暖冬もマイナス要因となった。厳しい第3四半期となったが、ブランド別では「アンブロ」が売上高51億円(2.0%増)と堅調な推移だった。

ゴールドウインは増収増益を達成した。主力のアウトドア事業が好調だったほか、「カンタベリー」がラグビーワールドカップ効果の後押しを受けた。「ザ・ノース・フェイス」と「ヘリー・ハンセン」ブランドは2ケタの増収だった。同社では「外部環境に左右されない強固なブランド価値の確立」に重点を置いている。主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」では、①気候変動への敏感な対応、②レディス・キッズ商材の拡大、を重視している。「カンタベリー」では引き続き、ラグビーファンの取り込みに力を入れる。強化ブランドの1つ、「ゴールドウイン」も重点取り組み課題だ。昨秋、米国・サンフランシスコに直営店を出店。今年も世界規模の展開拡大を進める。

ヨネックスは増収増益だった。「欧州」を除く全地域で増収を達成した。国内はウエア類が健闘したほか、北米やアジアではバドミントン事業が堅調だった。主力のバドミントン用品は売上高259億6,100万円(4.0%増)と健闘した。テニス用品、ゴルフ用品は減収だった。