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国内主要スポーツ上場企業5社、2019年3月期 連結決算まとめ(上)
増収増益は2社、海外比率の高い3社は減益に

update: 2019/05/20

主要スポーツ上場5社、2019年3月期 連結決算 財務数値一覧(表1)

主要スポーツ上場5社、2019年3月期
連結決算 財務数値一覧(表1)

国内主要スポーツ上場企業5社の2019年3月期(2018年度)の連結決算が出揃った。増収増益を達成した企業と減収に至った企業が明確に分かれた結果となった。中でも、ゴールドウインが2ケタの増収・増益と好調な業績だった。

苦戦傾向だった美津濃、米国のビジネスが復調

対象としたのは、国内の主要なスポーツ上場企業5社(美津濃、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット)。いずれも2019年3月期決算で、日本会計基準である。増収増益を達成したのはゴールドウインとゼットの2社だった。美津濃(ミズノ)とヨネックスは減収減益。デサントは微増収だったが、減益となった。

ミズノの2018年度は、世界的なランニングシューズの苦戦、国内のゴルフビジネスの伸び悩み、米州の体質改善を目的とした売上減などが影響し、減収に至った。利益面も減収に伴い、減益となった。財務面は安定しているため、収益性の改善が当面の課題と言えるだろう。

ランニングシューズを再度、強化

ランニングシューズは苦戦したが、日本のスポーツ施設受託事業やワーキングビジネス、欧州のインドアシューズなどは健闘した。また、バドミントンや卓球も堅調な推移だった。サッカーのスパイクシューズの売り上げも伸びている。

課題のランニングシューズについては、世界規模でデザインの見直しを行う。主力商材の1つ「フットウェア」に占めるランニングシューズの売上比率は約35%で、けん引役となる商材だ。テコ入れを図り、反転攻勢を目指す。

今後、3年間の業績見通し──中期計画を公表している。今期(2020年3月期)は前々期(2018年3月期)並みの収益に戻し、3年後の2022年3月期(2021年度)には、売上高2,050億円、営業利益110億円と業容を拡大する計画だ。(続く)