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上場スポーツ企業4社、2018年12月期まとめ(上)
各社で明暗分かれる

update: 2019/03/25

上場スポーツ企業4社、2018年12月期 財務数値一覧(表1)

上場スポーツ企業4社、2018年12月期
財務数値一覧(表1)

上場スポーツ企業4社──アディダス、プーマ、アンダーアーマー、アシックスの2018年12月期連結決算の結果をまとめた。増収増益を達成したのはアディダスとプーマの2社。アンダーアーマー及びアシックスは損失を計上するに至った。

アディダス、プーマが健闘

対象企業はアディダス、プーマ、アンダーアーマー、アシックスの4社で、いずれも2018年12月期。参考に、決算期が異なるナイキ(2018年5月期)の前期決算も表に加えているので参考にされたい(別表)。

adidas Group(アディダス・グループ)の2018年12月期の連結決算は、前期より伸び率が低下したが、増収増益となった。主力の欧州は伸び悩んだが、北米及びアジア・太平洋地域が健闘した。連結売上収益は、219億1,500万ユーロ(約2兆7,393億7,500万円、1ユーロ=125円で換算)、3.3%増。営業利益は23億6,800万ユーロ(約2,960億円、同)、14.4%増で2ケタの増益となった。税引前利益は、23億7,800万ユーロ(約2,972億5,000万円、同)、17.6%増と2ケタの増益だった。

PUMA(プーマ)社の2018年12月期連結決算は、売り上げ・利益共に2ケタの増収増益となった。アジア・太平洋、アパレルの伸びが高かった。連結売上収益は46億4,800万ユーロ(約5,810億円、1ユーロ=125円で換算)、12.4%増と2ケタの増収。営業利益(EBIT)が3億3,700万ユーロ(約758億2,500万円、同)、37.9%増となった。税引前利益(EBT)は3億1,300万ユーロ(約391億2,500万円、同)、35.5%増と大幅に増加した。

Under Armour,Inc.(アンダーアーマー社)の2018年12月期連結決算は、新興市場の欧州やアジア地域の健闘もあり増収を達成した。損益面では、米州の不振や、「Restructuring and impairment charges」(リストラおよび減損の費用)の計上が響き、損失を計上するに至った。連結売上収益は51億9,300万米ドル(約5,660億3,700万円、1米ドル=109円で換算)、4.1%増。販管費率は42.0%(0.1ポイント減)と微減だったが、「Restructuring and impairment charges」が1億8,300万米ドル(約199億4,700万円、同)と増加し、利益を圧迫した。営業損益は前期2,700万米ドル(約29億4,300万円、同)の黒字から一転して、2,500万米ドル(約27億2,500万円、同)の営業損失となった。

アシックスの連結売上高は、3,866億6,200万円(3.4%減)の減収。DTC(ディレクト・トゥ・コンシューマー=直営ビジネス)の比率が高まったこともあり、売上高総利益率(粗利率)は46.7%(0.9ポイント増)と改善した。当期純損益は、203億2,700万円(前期は129億7,000万円の黒字)の損失を計上。前倒しでバランスシート上の損失を計上したことによる影響が大きかった。不採算店舗やのれん等の減損損失など計230億円の特別損失を計上、バランスシートを健全化する狙いがあった。(続く)