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アシックス、2018年12月期 第3四半期
欧米の苦戦などが影響し、減収減益に

update: 2018/11/08

アシックス、2018年12月期 第3四半期 財務数値一覧(表1)

アシックス、2018年12月期 第3四半期
財務数値一覧(表1)

アシックスの2018年12月期第3四半期(1-9月)連結決算は、米州や日本の苦戦、欧州の販管費増などが影響し、減収減益になった。主力のランニングシューズが低調だったが、「オニツカタイガー」は好調に推移した。欧米ビジネスの苦戦を受けて、通期の業績見通しを下方修正している。

大きかった米州のマイナス

連結売上高は2,956億円(4.7%減)。主力の日本は微減にとどまったが、米州の落ち込みが大きかった。欧州(EMEA)やオセアニア/東南・南アジアも伸び悩んだ。東アジアではChinaビジネスが健闘した。利益面では、米州および欧州の落ち込みが影響し、営業利益153億円(37.1%減)と減益に至った。

アシックス、2018年12月期 第3四半期 分類別・地域別売上高(表2)

アシックス、2018年12月期 第3四半期
分類別・地域別売上高(表2)

米州は、ランニングシューズの不振──米国で17.6%減、ブラジルで6.9%減(現地通貨ベース)がマイナス要因となった。利益面では、原価率の改善が進んだものの、減収や広告費の増加が影響し、営業損失52億円(前年同期比は営業利益43億円)を計上するに至った。欧州では、「オニツカタイガー」シューズが好調だったが、「アシックスタイガー」が低調だった。利益面では、原価率の改善が進んだが、輸入為替レートの影響や直営店関連費用が増加したことで、営業利益は48億円(33.5%減)の減益となった。東南・南アジアは「オニツカタイガー」及びランニングシューズが好調だった。東アジアでは、Chinaが「オニツカタイガー」及びランニングシューズの好調で増収したが、韓国は店舗再編の影響で13.2%減(同)と苦戦した。

カテゴリー別の売上高では、主力の「ランニング」関連が1,650億円(7.5%減)と苦戦した。「コアパフォーマンススポーツ」関連は461億円(4.8%減)。「ライフスタイル」関連が「オニツカタイガー」(売上高321億円、30.8%増)の健闘で、446億円(11.8%増)と2ケタの増収となった。

欧米などの不振を受けて、通期の業績見通しを下方修正している。連結売上高は3,850億円(当初見込みから400億円の減収)、営業利益は120億円(同80億円の減益)、経常利益は100億円(同95億円の減益)。なお当期純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)は、現時点で合理的な見積もりが困難と判断し、未定としている。