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Under Armour 2017年12月期 連結決算
主力の北米が苦戦、増収するも損失を計上

update: 2018/02/23

アンダーアーマー、2017年12月期 財務諸表(表1)

アンダーアーマー、2017年12月期
財務諸表(表1)

Under Armour(アンダーアーマー社)の2017年12月期(2017年度)の連結決算は、主力の北米市場が苦戦した影響で、営業利益は確保したものの、税引前損益で損失を計上した。欧州・アジアなどは健闘したが、売上規模の大きい北米のマイナス分をカバーするには至らなかった。

北米市場の売り上げに陰り、利益も大幅減

連結売上高は、49億7,600万米ドル(約5,573億1,200万円、1米ドル=112円で換算)、3.1%増と増収を達成した。営業利益は2,700万米ドル(約30億2,400万円、同)、93.5%減と大幅な減益となった。税引前損失は1,000万米ドル(約11億2,000万円、同)、当期純損失は4,800万米ドル(約53億7,600万円、同)となった。

アンダーアーマー、2017年12月期 部門別売上高(表2)

アンダーアーマー、2017年12月期
部門別売上高(表2)

売上高総利益率(粗利率)は45.0%(1.4ポイント減)と低下した。増加した在庫の適正化を進めた影響が表れた。販管費率は継続した投資──需要の創出やDTC(Direct to consumer)、フットウエア、国外ビジネス──により増加している(表1を参照)。

地域別売上高は、主力の「North America」(北米)が38億200万米ドル(約4,258億2,400万円、同)、5.1%減と苦戦。セグメント利益も2,000万米ドル(約22億4,000万円、同)、95.1%減と大幅な減益となった。好調な推移だったのは、「EMEA」(欧州・中東・アフリカ)と「Asia-Pacific」(アジア・太平洋)。「EMEA」は売上高を4億6,900万米ドル(約572億1,800万円、同)、42.2%増と大きく伸ばした。「Asia-Pacific」も同4億3,300万米ドル(約484億9,600万円、同)、61.4%増と好調な推移だった。しかし、規模はまだ小さい。「Latin America」(ラテンアメリカ)、フィットネス事業の「Connected Fitness」は増収を達成したが、損失を計上するに至った(表2を参照)。

部門(商品)別売上高は、主力の「Apparel」(スポーツウエア)が32億8,700万米ドル(約3,681億4,400万円、同)、1.8%増と堅調な推移だった。連結売上高の約76%を占めている。第2の柱とするべく強化を進めている「Footwear」(シューズ)は、10億3,700万米ドル(約1,161億4,400万円、同)、2.7%増と小幅な伸びだった。

財務面では、効率性指標が軒並み悪化している。流動性指標に大きな変化はない。通期では、北米が1ケタ台の減収になると予測。海外ビジネスはさらに伸びると見ている。