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主要スポーツ小売店5社、決算まとめ
増収基調も、利益面で格差が表れる

update: 2017/11/21

主要スポーツ小売店5社、 財務諸表(表1)

主要スポーツ小売店5社、
財務諸表(表1)

主要スポーツ小売店5社の決算まとめを報告する。増収基調も、利益面で格差が表れる傾向が見られた。国内のスポーツマーケットは回復基調にあるが、主要小売企業の業績に反映された傾向は、それほどなかったようだ。

成長分野を捉えた小売店が業績を伸ばす

成長分野を捉えた小売店が業績を伸ばした。おしなべて、ランニング関連およびヨガ関連の商材は堅調だった。一部、ゴルフ用品を強化した小売店が健闘した。

国内の小売市場は、「ユニクロ」や「シマムラ」など、いわゆる“コモディティ商品”が拡大し続けているため、本来、差別化策にできていた“機能性素材”の提案が難しくなっている一面がある。

そうした中でも、アルペンやゼビオホールディングス、エービーシー・マートなどは、収益性が下がっている面もあるが、着実に売り上げ・利益を確保している傾向が見受けられる。特に国内では、安易な店舗数の拡大が難しくなっているため、むしろ“効率性”が重要視されている向きがある。

国内スポーツ小売店の収益性の伸び悩みは、協業するマーケットの増大が、大きな要因の1つになっていると考えられる。最も大きなものは、いわゆる“アスレジャー”だ。競技シーンにとどまらない、日常でも着用できるスポーツウエアのニーズが広まっている点に、大きな可能性が見出されている。

基本的に、スポーツ関連小売店の収益性は、それほど深刻な状態ではない。前述の通り、ファッション的な“タウンユース”の需要もあるため、取り組み様によっては、新しいニーズを取り込める可能性が大きい。“小売店ビジネス”においても、こうした“汎用性ニーズ”の可能性は、期待できる切り口だと言えるだろう。