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スポーツ上場6社、2018年3月期 第2四半期まとめ(下)
通期見通しは、おしなべて手堅い数値に

update: 2017/11/14

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スポーツ上場6社、2018年3月期  通期業績見通し(表1)

スポーツ上場6社、2018年3月期
通期業績見通し(表1)

スポーツ上場6社(美津濃、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライド=順不同)の2018年3月期(2017年度)第2四半期(4-9月)決算まとめ。増収基調ではあるが、経費増や為替の影響などもあり、通期見通しは各社共に手堅い数値である。2020年の東京五輪を控え、市場は温まってきたとみる向きが多い。

ゴールドウインが増収増益と健闘

国内市場に加え、業容拡大のために海外市場を開拓する動きは当たり前になった。収益性の向上、経営における突発事項に対するリスクヘッジの面からも、海外ビジネスの拡大は重要な意味を持つようになってきた。アシックスは海外売上比率が70%台に達しているほか、ミズノは32%、デサントでは59%、ヨネックスは49%と大きな比率を占めつつある(いずれも第2四半期時点の数値)。

スポーツ上場6社、2018年3月期 第2四半期 財務諸表(表2)

スポーツ上場6社、2018年3月期
第2四半期 財務諸表(表2)

こうした中で、ゴールドウインは連結売上高の90%以上を国内ビジネスでカバーしている。同社の海外売上比率は約4%で、上場6社の中では最も比率が低い。海外市場の開拓は同社にとっても中期的な経営課題の1つだが、アウトドアを主体とする国内ビジネスが好調で、第2四半期では増収増益を達成した。

けん引役になったのは「ザ・ノース・フェイス」「ヘリー・ハンセン」など「アウトドア関連ブランド」で、売上高は184億8,200万円(16.5%増)。気候変動に左右される傾向が強い昨今の市況下で、2ケタの増収を果たした。原動力の1つが“自主管理売り場”で、卸先の売り場活性化策として着実に成果を挙げつつある。売り上げに占める自主管理売り場の比率は第2四半期時点で55%(3ポイント増)だった。通期では、57%(3ポイント増)になる見通しだ。

アスレチックの新業態「ニュートラルワークス」も、「まだ厳しい点はあるが、着実に歩みを進めている」(西田明男 代表取締役社長)。来年(2018年)3月には、東京・ミッドタウン日比谷に2号店をオープンする計画だ。「自己の健康管理のために、習慣的に活用してもらえるようなアドバイスを提供し、かつそれに関連する商材を提案する」(西田社長)点が特徴だ。