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スポーツ上場6社 2018年3月期 “第1四半期”まとめ
増収・減益の傾向が色濃い結果に

update: 2017/08/22

スポーツ上場6社、2018年3月期 第1四半期

スポーツ上場6社、2018年3月期 第1四半期

スポーツ上場6社の2018年3月期第1四半期(4-6月)決算は、各社で格差が表れた結果になった。増収を達成した企業も多かったが、全体的に減益の傾向が目立った。国内が主力のゴールドウインが増収・黒字確保と健闘した。

対象は美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、ゼット、グローブライドの6社(順不同)。為替の影響は軽微だったようだ。増収を達成した企業は4社(デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、グローブライド)。

国内主体のゴールドウインが健闘

ミズノは、全地域で減収・増益となった。日本市場はゴルフ・野球など競技人口の減少のほか、体育用具の需要減が影響し、減収に至った。仕入れに及ぼす為替の影響が減ったこと、処分価格販売の減少などで売上高総利益率(粗利率)が改善したことが、利益増につながった。

デサントは、増収・減益の結果。国内外の「デサント」「アリーナ」ブランドを中心としたアスレチック関連が健闘した。国内のゴルフは苦戦したが、海外は健闘した。主力の地域――日本、韓国、中国は現地通貨ベース・為替換算後ともに増収を達成した。利益面では、韓国の粗利率が悪化したこと、および新規出店の販管費増が影響し、減益となった。日本ディビジョンの売り上げは増収、営業損失8億2,200万円を計上したが、前期の同9億600万円より改善した。これで3年連続の改善だ。

ゴールドウインは秋冬偏重型ビジネスのため、第1四半期では損失を計上するケースが多かったが、当期は黒字を確保した。主力の「ザ・ノース・フェイス」「ヘリー・ハンセン」などアウトドアブランドが好調に推移したほか、「エレッセ」「ダンスキン」「カンタベリー」などのアスレチックブランドも増収に貢献した。利益面では、直営やウェブなどのリテール売り上げが増えたこと、販売に関するロスが削減されたことでさらに効率性が改善した。第1四半期が好調な推移だったため、第2四半期の見通しを上方修正している。

ヨネックスは、増収・減益だった。主力の日本において、バドミントンビジネスが健闘した。利益面は円安傾向と販促費の増加により減益となった。アジアでは中国販売子会社においてバドミントンラケットやウエアがけん引役になった。利益面では、販売網構築などの販促費の増加で減益に至った。

ゼットは、減収・増益。自社品である野球やソフトボールのほか、卓球や競技シューズ・ウエアなどが堅調に推移した。自社品の原価改善効果もあり、粗利率が増加し増益を達成した。