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スポーツ主要小売店、2016年度決算まとめ(上)
停滞感のある市況、収益確保が難しく

update: 2017/06/12

主要スポーツ関連小売店5社、 本決算 財務諸表(表1)

主要スポーツ関連小売店5社、
本決算 財務諸表(表1)

スポーツ関連商材を扱う主要小売店の2016年度決算まとめ。増収を達成した企業もあるが、その伸び率は小幅にとどまった傾向が強い。増収を確保した企業と減益に至った企業が明確に分かれた。

横ばい傾向が色濃く

対象にした小売店は5社(アルペン、ゼビオホールディングス、ヒマラヤ、メガスポーツ、エービーシー・マート=順不同)。アルペンは決算期が6月期のため前期の実績を、ヒマラヤは8月期のため同じく前期の実績を使用した。ゼビオHDは2017年3月期、エービーシー・マートおよびメガスポーツは、2017年2月期の最新の実績を使用した。

アルペンの最近の決算=2017年6月期第3四半期は減収増益、同じくヒマラヤの最近の決算=2017年8月期第2四半期は増収・損失計上だった。ゼビオHDの2016年度(17年3月期)は微増収増益、メガスポーツは増収減益、エービーシー・マートは微増収微増益の結果だった。数値を見る限り各社とも、安定した収益の確保が難しかったようだ。

現場の声=小売店の店頭で話を聞く限り、消費マインドの大きな伸び・回復はあまり感じられないようである。スニーカーやランニングシューズ、タウンユースのスポーツウエアなど、堅調な分野もあるが、表1の決算数値が示す通り、横ばい傾向が強い。停滞感を指摘する小売店も少なくない。推移や見通しが予測しにくい状況と言えるだろう。

アルペンは前期に苦戦したが、今期は第3四半期まで、減収だが増益を確保して健闘している。ウインタービジネスの回復と販管費の抑制が功を奏したようだ。ゼビオHDは微増収・増益と健闘した。主力の一般スポーツやスポーツウエアが堅調だったほか、ゴルフビジネスがほぼ前年並みだった。収益面、財務面ともに最も安定している小売店と言えるだろう。(続く)