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主要スポーツ上場6社、2017年3月期を展望する(下)
強みを強化する傾向も顕著に

update: 2017/05/09

スポーツ上場6社、2016年3月期 実績(表1)

スポーツ上場6社、2016年3月期
実績(表1)

昨今はゴールドウインのアウトドア、デサントのアスレチックウエア、ヨネックスのラケットビジネスのように、強みをさらに強化する傾向も堅調になっている。美津濃(ミズノ)は野球・ゴルフ・アスレチックとバランス良く事業を展開している。アシックスは売り上げの約80%がシューズだ。各社で、強化すべき分野やアイテムが明確になってきた。

ミズノはバランス、コア事業を伸ばすケースが主流に

ミズノは売り上げの内訳を「フットウエア」「アパレル」「イクイップメント」「サービス/その他」という4つのカテゴリーに分類している。以前は、種目別に売上高を公表していた。フットウエア(シューズ)が628億円、全体の約32%を占めているが、アパレルも約29%、イクイップメントが約24%と比較的、バランスの取れた売上構成である(表2を参照)。売り上げが大きく伸びることはあまりないが、大きく落ち込むことも少ない。結果的に安定した事業展開が、企業運営上のリスクヘッジにつながっている。

スポーツ上場6社、主要企業 部門別売上高(表2)

スポーツ上場6社、主要企業
部門別売上高(表2)

デサントは「アスレチック」が875億円と全体の約64%と3分の2を占めている。社名ブランドの「デサント」が35%(買収した自社ブランド「イノヴェイト」を含めると37%)を占めている事が大きい。「ルコックスポルティフ」が約32%と続いて依然、主力ブランドの1つになっている。「マンシングウェア」は約11%にとどまっている。引き続き、アスレチックアパレルがけん引役になりそうだ。「デサント」ブランドがその主力として期待されている。

ゴールドウインは売り上げの約57%が「アウトドア」ビジネスだ。「ザ・ノース・フェイス」をはじめとするアウトドアブランドがけん引役になっている。「アスレチック」ビジネスは「チャンピオン」ブランドの事業譲渡により、売上規模が縮小したが、その影響を最小限にとどめている(表2を参照)。通期見通しも手堅い数値だが、好調なアウトドアビジネスが後押しし、上表修正に至るケースは十分考えられる。

ヨネックスはやはり「バドミントン関連」が255億円、約47%と主力になっている。「テニス関連」も健闘しているが、小規模である。ゴルフ事業は伸び悩んでいる。通期でも、バドミントンがけん引役になることは間違いない。第2、第3の事業を育てていくことが中期的な課題と言えるだろう。(終り)