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スポーツ上場企業4社、12月期 決算まとめ(下)
──アディダス、アンダーアーマー、アシックス、プーマ

update: 2017/03/22

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米国のマイナスで伸びが停滞するアシックス

スポーツ上場4社、2016年12月期 財務諸表(表2)

スポーツ上場4社、2016年12月期
財務諸表(表2)

アシックスは数年来、順調に業容を拡大してきたが、主力市場の1つ、米国ビジネスが苦戦した影響で減収減益に至った。しかし、為替の影響を除いた増減率は0.9%増と微増に転じる。経常利益は南米のレアル通貨を中心とした為替差損が減少したこともあり、増益を達成した。

日本市場は構造改革が功を奏して、売上高1,015億円(0.3%増)、営業利益62億円(約2.7倍)と収益性が改善した。欧州は日本円ベースの連結では1,076億円(7.3%減)だったが、為替の影響を除くと2.8%増で堅調な推移だった。アイテム別では、主力のフットウエアが3,296億円(4.7%減)と減収したが、為替の影響を除くと3.4%増とプラスになった。今期は中期的な成長の土台を構築するべく、先行投資を実施する。

尾山基代表取締役社長は、日本のビジネスについて、「防御的な措置は全て実施した。攻めのスタンスで臨みたい」と積極的に強化すると語る。また世界市場の開拓について、「顧客層をセグメンテーションし、各地域で方針に基づいて企画・営業活動を実施する」とその手法を説明した。そのほか、DTC(Direct to Consumer)=消費者への直販ビジネスも強化分野の1つに掲げる。健康増進につながるスポーツ商材の提案も取り組み課題の1つだ。(終り)