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アシックス 2016年12月期 連結決算
米国の不振、為替の影響で減収に
経常段階では増益を達成

update: 2017/02/14

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アシックス、2016年12月期 財務諸表

アシックス、2016年12月期
財務諸表

アシックスの2016年12月期連結決算は、米国市場の不振および円高に振れた為替の影響が大きく、減収となった。為替の影響額は326億円のマイナス。営業利益は減益だったが、南米・レアルを中心とした為替差損が減少したこともあり、経常段階では増益を達成した。

欧州、アジアが堅調な推移

連結売上高は3,991億700万円(6.9%減)で、特に海外の下げ幅が大きかった。ただし、為替の影響を除く(currency neutral)と、0.8%増の微増益になる。円高の影響で2,975億4,600万円(9.1%減)と減収に至った海外売上高も、0.9%増と微増益に転じる。地域別では、日本が1,015億6,000万円(0.3%増)と堅調な推移だった。不採算事業の撤退や構造改革が功を奏し、営業利益が約2.7倍の62億円に増加した。また、「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」といったライフスタイル系シューズも貢献したほか、ランニングシューズが堅調だった。

海外売上比率は74.6%(1.8ポイント減)とやや減少した。苦戦したものの、引き続き米州および欧州が主力地域の1つになっている。米州の売上高は1,129億円(17.0%減、為替の影響を除くと9.0%減)だったが、南米・ブラジルはランニングシューズが好調で、レアルベースでは13.8%増と2ケタの増収だった。米国はランニングシューズなどが苦戦したほか、「スポーツオーソリティ」など大手スポーツ量販店の経営破たんも影響した。セグメント(営業)利益は8億6,200万円(42.5%減、同36.3%減)と減益になった。

欧州(EMEA=欧州・中東・アフリカ)の売上高は1,076億円(7.3%減)だったが、現地通貨ベースでは2.8%増と堅調だった。ライフスタイルシューズが好調に推移した。セグメント利益は113億円(3.4%増、為替の影響を除くと14.6%増)と増益を達成した。そのほか、東アジアが434億円(3.6%増、為替の影響を除くと18.4%増)と成長を続けている。セグメント利益も49億円(7.6%増、同24.2%増)と増加している。オセアニア/東南・南アジアも240億円(7.0%増、同19.2%増)と堅調な推移である。セグメント利益は36億円(1.6%増、同13.1%増)と堅調だった。

製品別では、フットウエア(スポーツシューズ類)が3,296億円(4.7%減、為替の影響除くと3.4%増)で、けん引役になっている。カテゴリー別では、ランニングが2,277億円(7.1%減、同2.2%増)とけん引役になっている。また、「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」などライフスタイルが514億円(3.9%増、同14.6%増)と成長してきた(表2を参照)。