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⑦ダンロップスポーツ
2008年シーズンの実績を上回る

update: 2017/01/24

ダンロップスポーツ、2015年12月期 財務諸表(表1)

ダンロップスポーツ、2015年12月期
財務諸表(表1)

決算分析シリーズの最終回は、ダンロップスポーツだ。2011年12月期と2015年12月期を比較する。数年来、連結売上高は2008年12月期の746億6,400万円をピークに減少傾向にあったが、2012年12月期以降は再び増収に転じている。15年12月期は08年12月期の実績を上回った。

IFRSに決算基準を変更

ダンロップスポーツ、2011年12月期 財務諸表(表2)

ダンロップスポーツ、2011年12月期
財務諸表(表2)

親会社の住友ゴム工業が2016年12月期からIFRS(国際会計基準)を任意適用する影響で、ダンロップスポーツも同様にIFRSを適用する。国内の上場スポーツ企業の中では初めての事例だ。併せて、2020年に連結売上高1,000億円を目指す新中期経営計画を策定した。営業利益は60億円、ROEは5%以上を目指す。重点強化するブランドは、「ゼクシオ」「スリクソン」「クリーブランドゴルフ」の3つだ。

ここ数年は為替の影響などを受けて、収益確保が難しくなっている。2016年12月期の業績見通しも、売上高785億円(0.5%増)、営業利益20億円(34.8%増)と比較的手堅い数値目標だ。

2011年3月期と2015年3月期を比較すると、売上規模は回復しているが、利益面は低下傾向だ。売上高総利益率(粗利率)および利益率が共に低下している。販管費率は下がっているが、商品回転率は減少している。自己資本比率も約10ポイント減少した。概して、効率性が低下している。

ダンロップスポーツ、2016年12月期 第2四半期 財務諸表(表3)

ダンロップスポーツ、2016年12月期
第2四半期 財務諸表(表3)

2016年12月期の第2四半期は、減収ながら増益を達成した。粗利率が改善し販管費率が低下したことで、増益につながった。商品回転率はほぼ前年同期比並みだった。流動性指標では、D/Eレシオが低下した。自己資本比率も微増している。

アジア、欧州市場の開拓にもさらに力を入れようとしている。先日、発表された世界の「ダンロップ」ブランド事業を買収する経営決定も追い風になるだろう。スポーツ分野における「ダンロップ」ブランドの展開範囲が拡大する。(終り)