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③デサント
海外ビジネスが貢献大、売上規模が1,000億円台に

update: 2017/01/16

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デサント、2016年3月期 財務諸表(表1)

デサント、2016年3月期
財務諸表(表1)

主要な上場スポーツメーカーの業績推移をシリーズで取り上げる。3回目はデサント。アジア市場が中心の海外ビジネスがけん引役になっている。デサントコリアを主体とした業績が好調で、売上規模も1,000億円台を回復した。

5年で売上高がおよそ倍増

デサント、2011年3月期 財務諸表(表2)

デサント、2011年3月期
財務諸表(表2)

前回同様、2011年3月期と2016年3月期の業績数値を比較する。連結売上高は757億円から1,357億円と2倍近く増えている。これは前述の通り、アジア市場を中心とした海外ビジネスの貢献度が大きい。11年3月期に28.5%だった海外売上比率は、16年3月期には60%にまで拡大した。売上高693億円のデサントコリアを筆頭に、上海デサントが27億円、香港デサントが37億円、寧波ルコックが67億円と堅調な推移だ(いずれも2016年3月期の実績)。

売上高総利益率は47.3%(11年3月期)から56.2%(16年3月期)に増加している。これは、直営店ビジネスを展開するデサントコリアの売上比率が高くなっている影響だ。利益率もその額もそれぞれ高くなっている(表1、2を参照)。財務状態が良好である点は変わっていない。商品回転率はやや下がっているが、流動性指標は依然、安定した数値を保っている。

品目別の売上高では、「アスレチック」が引き続き主力である。それに次ぐ「ゴルフ」も堅調に売上規模を拡大している。規模の小さい「アウトドア」だが、5年間でほぼ倍増と好調な推移だった(表3、4を参照)。