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① アシックス
過去5年間で売上規模がほぼ倍増

update: 2017/01/05

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アシックス 2015年12月期 財務諸表(表1)

アシックス 2015年12月期
財務諸表(表1)

年初に当たり、主要な上場スポーツメーカーの業績推移をシリーズで取り上げる。使用する数値は2010年度(2011年3月期)と前期2015年度(2016年3月期。アシックスは2015年12月期)だ。過去5年間の経緯を基に、今後を予測する。1回目はアシックスに焦点を当てた。

海外ビジネスがけん引役になる

アシックス 2011年3月期 財務諸表(表2)

アシックス 2011年3月期
財務諸表(表2)

アシックスは過去5年間で、売上規模がほぼ倍増している。最も大きな要因は海外ビジネスの成長だ。為替変動も影響するが2015年12月期において、海外売上比率は76.4%(2.9ポイント増)とさらに増加した。収益に貢献しているのは「欧州地域」で、売上高は1,160億円、セグメント利益が109億円。連結営業利益の約40%を占める。「米州地域」も売上高が1,188億円と大きい。

成長著しいのが中国や韓国などの「東アジア地域」。売上高は419億円(33.2%増)、セグメント利益も46億円(99.4%増)と成長スピードが加速してきた。一方、日本地域は売上高が1,227億円、セグメント利益が22億円。売上規模は大きいが、利益を確保できていない状況だ。


アシックス 2015年12月期 部門別売上高(表3)

アシックス 2015年12月期
部門別売上高(表3)

2011年3月期の連結売上高は2,353億円。海外売上比率は62.6%だった。当時、欧州地域は売上高が555億円、米州地域は596億円だった。5年間でほぼ倍増した計算だ。ちなみに日本地域は1,048億円。約200億円の上乗せができている。

2010年度と2015年度の業績を比較すると、売上高総利益率(粗利率)や販管費率はそれほど変わっていないが、利益率がやや低下している。効率性指標では、商品回転率が低下している。流動性指標は大きく変化していない。D/Eレシオは改善している(表1、表2を参照)。