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ゴールドウイン、2017年3月期 第2四半期
店頭が堅調、増収増益に

update: 2016/11/09

ゴールドウイン、2017年3月期 第2四半期 財務諸表

ゴールドウイン、2017年3月期
第2四半期 財務諸表

ゴールドウインの2017年3月期第2四半期(上期)連結決算は、直営店を中心に店頭の売上推移が堅調だったほか、値引きなどのロスを削減できた効果もあり、増収増益を達成した。主力のアウトドア関連ブランドがけん引役になった。

難しい市況下で収益を確保

ゴールドウインはビジネスのほとんどが国内市場である。海外市場の開拓がさかんなスポーツメーカーの中では比較的、珍しい存在だ。半面、スポーツ業界ではいち早く、SPA(製造小売り)業態を定着させ軌道に乗せた数少ない企業でもある。

今回の第2四半期決算でも、そうした特徴が表れている。けん引役は引き続いて、主力のアウトドア事業だが、厳密な在庫(棚卸資産)管理が功を奏し、天候不順の影響を受けた同業他社の中では、着実に増収増益を達成した。前期末に「チャンピオン」ブランドの事業を譲渡した影響もあったが、既存ブランドの増収により、その穴をカバーした。

端境期の8-9月は苦戦傾向だったが、「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリー・ハンセン」などアウトドア関連ブランドが健闘したほか、「カンタベリー」や「ブラックアンドホワイト」も堅調だったことから、売上高総利益率(粗利率)も2.2ポイント改善した。

ビジネスの構造上──アウトドアが秋冬に強いこともあり、下期偏重型の収益体制であるが、春夏ビジネスが主体になる上期決算で増収増益を達成した。販管費率が増加したが、粗利率の増加でカバーし、利益も増加した。

財務面も非常に手堅い推移である。資本回転率や商品回転率は前年同期比並み。売上高純金利負担率はやや改善している。自己資本比率は微減していているが、D/Eレシオも減少しており、当面の不安材料はない。手元流動性比率も0.5ポイント増と改善している。

第2四半期の業績数値は、主力ブランドの「ザ・ノース・フェイス」や「ヘリー・ハンセン」などが堅調に推移したため、上方修正している。通期見通しは修正せず、売上高592億円、経常利益39億5,000万円を計画している。