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アシックス、2016年12月期 第3四半期
米国の不振、円高も影響し、減収減益に

update: 2016/11/07

アシックス、2016年12月期 第3四半期 財務諸表(表1)

アシックス、2016年12月期
第3四半期 財務諸表(表1)

アシックスの2016年12月期第3四半期連結決算は、米国ビジネスの不振や円高の影響などにより、減収減益になった。欧州は堅調、アジアビジネスが大きく貢献した。「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」のシューズが健闘した。

各地域で格差表れる

円高の為替による連結売上高へのマイナス影響は260億5,200万円。製品別売上高でも全カテゴリーで減収になったが、為替の影響を除くと主力のスポーツシューズ類は増収になった(表2参照)。米国がランニングシューズやライフスタイルシューズの不振で苦戦傾向にあった。ブラジルはレアルベースで売上高が13.5%増と好調だったが、米ドルの為替の影響もあり、米州全体では減収減益に至った。

アシックス、2016年12月期 第3四半期 部門別売上高(表2)

アシックス、2016年12月期
第3四半期 部門別売上高(表2)

欧州(EMEA)は減収微減益だったが、為替の影響を除くと増収増益で堅調な推移だった。営業利益でも主力になっている。ライフスタイルシューズが好調、ランニングシューズも堅調だったが、ウエアが低調だった。

貢献度が高かったのはアジアだ。オセアニア/東南・南アジアは増収増益で、ランニング・ライフスタイルシューズが貢献した。東アジアも増収増益を達成、こちらもランニング・ライフスタイルシューズがけん引役になった。日本はランニング・ライフスタイルシューズが堅調だったが、ウエアおよび用具ビジネスが低調だった。

連結売上高の約80%をシューズ類が占める傾向は変わっていない。かねて懸案のウエア、用具類の増収が当面の課題だろう。製品別売上高では、主力のランニングシューズが堅調な推移だったほか、ライフスタイルシューズの「オニツカタイガー」「アシックスタイガー」が健闘した。

売上高総利益率(粗利率)は1.3ポイント改善した。経常利益は営業外収益が増え、同費用が減ったことで前年同期比並みの数値に落ち着いた。四半期純利益は前期に特別損失を計上したが当期はないため、増益に転じた。

通期の業績見通しは修正していない。連結売上高4,030億円(6.0%減)、営業利益230億円(16.2%減)、経常利益200億円(11.2%減)の減収減益を計画している。