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デサント、2017年3月期 第2四半期
アジアビジネスの停滞、為替の影響で減収減益に

update: 2016/11/02

デサント、2017年3月期 第2四半期 財務諸表

デサント、2017年3月期
第2四半期 財務諸表

デサントの2017年3月期第2四半期(上期)連結決算は、けん引役だったKorea、China市場の売り上げが鈍化したこと、また為替の影響もあり、7期ぶりの減収減益になった。国内事業はアスレチックを中心に102%と健闘した。

「デサント」健闘、「ルコックスポルティフ」が苦戦

国内ビジネスは売上高260億8,800万円(1.6%増)と健闘したが、海外ビジネスは364億3,900万円(7%減)と苦戦した。海外ビジネスの減収における為替の影響は、55億円のマイナスだった。

デサント、2017年3月期 第2四半期 部門別売上高

デサント、2017年3月期
第2四半期 部門別売上高

これは大半を占めるアジアの苦戦による影響が大きい。うち、デサントコリアが37億円減、香港を含むChinaビジネスが1億9,700万円減だった。デサントコリア、寧波ルコック服飾有限公司は現地通貨ベースで増収を達成した。香港デサントが減収、上海デサントは前年並みだった。欧米ビジネスは、「イノヴェイト」の取り込みにより、11億5,400万円の増収になった。

ブランド別では、「ルコックスポルティフ」がアジアで苦戦した。売上高は192億円(13%減)。「マンシングウェア」は同70億円(9%減)と苦戦傾向だった。「アリーナ」は同39億円(100%)と前年並み。「アンブロ」は同30億円(7%減)でやや苦戦した。主力ブランドに成長した「デサント」が同224億円(1%増)と健闘した。ゴルフカテゴリーと国内の売り上げが順調だという。国内ではベースボールが106%と健闘した。チームウエア関連がけん引役になった。

営業利益の減益のうち、13億円がデサントコリアの影響。売上高総利益率(粗利率)は、直営比率の高いデサントコリアの減収により、56.2%(1.2ポイント減)と減少したが依然、高い水準にある(表1参照)。商品回転率、交差比率など効率性指標が低下した。流動性指標は安定しており、D/Eレシオも0.078倍と非常に低い数値だ。

通期見通しは、上期の状況を踏まえ、下方修正している。連結売上高は1,300億円(当初目標1,380億円)、営業利益は80億円(同104億円)。今期の課題は、「日本、韓国に次ぐ第3の柱──中国市場を伸ばすこと。『デサント』ブランドを中心に増収を図る」(石本雅敏 代表取締役社長)ことだ。また、地域ごとに強化するブランドと守るブランドにメリハリをつけ、効率的な成長を目指す。