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スポーツ上場企業、第2四半期を展望する

update: 2016/11/01

スポーツ上場6社、 2017年3月期  第2四半期 財務諸表

スポーツ上場6社、 2017年3月期
第2四半期 財務諸表

主要スポーツ上場企業6社の第2四半期がまもなく開示される。美津濃(ミズノ)、デサント、ゴールドウイン、グローブライド、ヨネックス、ゼット(順不同)の6社が対象。国内市場は引き続きデフレ傾向が色濃く、円高傾向により海外事業の売り上げも伸び悩んでいる。各社は、どういった施策を考えているだろうか。

収益体制の構築が共通した課題

前期、増収増益と好調だった企業は、海外事業を伸ばしたメーカーだった。アジアに強固な収益基盤を築いたデサントが増収増益を達成したほか、グローブライドが営業段階で増益を達成している。ヨネックスは減益だが、アジアを中心とした海外ビジネスの伸びが今後、期待される。一方、苦戦しているのがゼット。安定した収益構造・体制を構築できないでいる。恒常的な収益を確保できる体制の確立が急務である。財務体質は悪くないため、収益性の見込める分野への投資が当面の課題だろう。

例外的なのはゴールドウイン。売り上げのほとんどは国内だが、厳正な棚卸資産の管理により、安定した収益体制を確立した点が強みである。スポーツ関連メーカーでは珍しく、最もSPA(製造小売り)業態の導入が進んでいる企業である。“汎用性”のあるライフスタイル――スポーツカジュアル系の商材をいち早く取り入れ、幅広い顧客層を取り込んだところも成功要因の1つだ。

ミズノは国内が主力のため、やや苦戦傾向にある。しかし、ランニングやウオーキングを主体としたシューズビジネスや、ゴルフ事業の復調により、回復の兆しが見えつつある。増えている売上原価をいかに抑えるかが、増収増益の肝だと思われる。

為替の影響もあるため──今期は比較的安定している為替レートだが、決算上における損益計上には多大な影響を及ぼす。南米や一部の欧州など国外市場の不安定感も懸念材料になっている。各社はどういった形で、第2四半期をまとめてくるだろうか。