TOP > 財務分析レポート > ヒマラヤ、2016年8月期 連結決算 ウイ...

ヒマラヤ、2016年8月期 連結決算
ウインタービジネスが不振、微減収減益に

update: 2016/09/29

ヒマラヤ、2016年8月期 財務諸表(表1)

ヒマラヤ、2016年8月期
財務諸表(表1)

スポーツ小売店、ヒマラヤの2016年8月期連結決算は、暖冬による影響で冬物ウエアやウインタービジネスが苦戦、雑貨全般の販売も不振で、微減収減益になった。しかし夏場のアウトドア商材が好調に推移したため、8月17日に公表した業績見通しの修正値は上回った。

ゴルフ、アウトドアが健闘

連結売上高は720億円(0.4%減)とほぼ前年並みだった。売上高総利益率(粗利率)は暖冬の影響による冬物および春夏のマークダウンの増加が影響し、2.0ポイント減少した。販売管理費率は0.1ポイント減と改善したが、粗利減をカバーするまでには至らなかった。粗利減の影響で、各段階の利益も減少した。当期純利益は、営業店舗を中心にした減損損失などの特別損失およそ13億円を計上したことで、赤字に転落した(表1参照)。

ヒマラヤ、2016年8月期 商品別売上高(表2)

ヒマラヤ、2016年8月期
商品別売上高(表2)

主力の「一般スポーツ」では、ランニングブームなど健康志向の後押しで、シューズなどの関連商材が好調な推移だった。その半面、防寒衣料や雑貨のほか、野球やサッカーといった“チームスポーツ”の動きが弱く、前年比を下回った(表2参照)。「ゴルフ」は堅調な推移。「アウトドア」は春夏商戦が好調で、規模はまだ小さいが2ケタ増を達成した。「スキー・スノーボード」は暖冬の影響を大きく受け、2ケタ減と苦戦した。

期末の店舗数は、「ヒマラヤ」が123店(出7、退2)、「ビーアンドディー」が32店(出1、退2)、計155店(出8、退4)。今期は、不採算店舗13店の閉店を実施するほか、ドミナント化を推し進める。

財務面では、商品回転率が0.1ポイント減少した。粗利率の低下もあいまって、交差比率が低下した。資本の回転率は前期と変わっていない。流動性指標では、売上高純金利負担率がやや改善した。流動比率が低下している。営業キャッシュフローがマイナスに転じた。有利子負債が18億円増加し115億円になったこと、自己資本が減少した影響で、D/Eレシオが0.8倍と高くなった。

通期の業績見通しは、連結売上高が735億円(2.0%増)、営業利益が11億7,000万円(18.9%増)、経常利益が12億2,000万円(14.7%増)。店頭売りの回復と共に、有利子負債の削減、自己資本の増強も当面の課題と言えるだろう。