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主要合繊メーカー、2018年秋冬シーズンまとめ(上)
“快適性”に着目した素材が登場

update: 2017/07/10

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東レの防水透湿素材 「エントラント®」の“高通気タイプ”

東レの防水透湿素材
「エントラント®」の“高通気タイプ”

主要合繊メーカーの2018年秋冬展示会。防寒・防風といった基本的な機能を押さえつつ、衣服内環境の改善を意識した新しい素材の提案も見られる。秋冬シーズンのため、アウトドアシーンを想定した素材が多かった。引き続き、採用事例を分かりやすくするための工夫──製品やシーン別の提案が多く見受けられた。

東レ、“通気性”重視した新素材

今回取り上げる合繊メーカーは、東レ、帝人フロンティア、東洋紡STC、旭化成アドバンス、ユニチカトレーディング、三井物産アイ・ファッションの6社(順不同)。三井物産は商社だが、素材ブランドを展開しているため参考に加えている。

秋冬シーズンにおいて、定番の機能性と言えば防寒、防風、保温(発熱、蓄熱、輻射熱を利用するなどバリエーションが多くなってきた)、透湿といった外気の環境に適応するものが主流。それに加えて、軽量や風合いの柔らかさ、ストレッチ性=動きやすさ・着やすさといった新しい切り口の機能性も求められるようになってきた。こういった機能性はスポーツのシーンのみならず、日常シーンでも採用が進んでいる。

こうした様々な機能性の中で、東レは今回、“通気性”に焦点を当てた新素材を提案した。アウトドアなどのシーンで使用される防水透湿素材「エントラント®」の“高通気タイプ”だ。従来品に比べ、約50倍の通気性がある。軽量で伸縮性に優れている点が特長。従来、持っている機能性=防水透湿性と通気性の両立を目指した。アクティブスポーツのシーンでの採用を想定するが、日常使い──ライフスタイルも視野に入れている。

そのほか東レは、ナイロン素材の「モイスト+®(プラス)」を強化素材にする。同社の従来のナイロン素材に比べ、約3倍の吸放湿性を持つ。また従来の約5分の1の制電効果も併せ持つ。