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ゴールドウイン「ザ・ノース・フェイス」がトークショー
「登山者の遭難を減らす」をテーマに東西で開催

update: 2014/07/14

東西で開催されたトークショーの模様(大阪会場)

東西で開催されたトークショーの模様(大阪会場)

ゴールドウインのアウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス」が「登山者の遭難を減らす」をテーマに東西でトークショーを開催した。東京は6月27日、大阪では7月11日に開催され、各会場にそれぞれ50人が参加した。「山で命を落とす人をひとりでも減らすために」と題した同イベントの講師に山岳警備隊のスタッフや国際山岳医を招き、山岳救助の現状や遭難しないための心得などを参加者に語った。

遭難者に多いのは体力・準備不足、無理な行動

警察庁生活安全局地域課がまとめた「平成25年中における山岳遭難の概況」によれば、平成25年(2013年)の山岳遭難数は2,172件で、統計を取り始めた昭和36年(1961年)以来、最多だったという。計2,713人が遭難し、負傷者が1,003人、無事救助された人は1,390人だった。

富山県警本部生活安全部地域課の柳澤義光、 警部補・山岳警備隊副隊長

富山県警本部生活安全部地域課の柳澤義光、
警部補・山岳警備隊副隊長

講師(大阪でのトークショー)として登壇した富山県警本部生活安全部地域課の柳澤義光、警部補・山岳警備隊副隊長は遭難者の特徴について、「体力不足、事前の準備不足、無理な計画・行動が多い」と指摘。疲労がピークに達する「下山時に遭難するケースが多い」と説明した。

続いて、国際山岳医で、関連する複数の山岳関連団体の委員を務める大城和恵・医師が、遭難時に最も気を付けるべき“低体温症”について、その対策方法を語った。同医師は登山家、三浦雄一郎氏がエベレスト登山に挑んだ際、山岳医として同行した経験がある。

国際山岳医の大城和恵・医師

国際山岳医の大城和恵・医師

低体温症の発生件数は油断しがちな夏に多いこと、症状に個人差があることなどを説明。意識が向きにくい症状のため、登山中は常に留意する必要があると解説した。また、大城医師は、低体温症になった時の対処療法を指南。「寒さから隔離し、保温、加温、熱源になる炭水化物を食べさせる」という4つのキーポイントを説明した。

「ザ・ノース・フェイス」ブランドではかねて、バックパックなどにリサイクル素材を採用するなど環境保全を意識した企画や活動を推し進めてきた。今回のトークショーはアウトドア愛好家の意識改革や啓蒙を目的に、同ブランド名を冠したイベントとして企画した。