TOP > イベントレポート > グランフロント大阪 「ナレッジキャピタ...

グランフロント大阪
「ナレッジキャピタル」開業から間もなく1年
スポーツ関連分野でも成果見られる

update: 2014/03/27

< 前のページへ1ページ2ページ

アスリート向けの“お餅”

「アスリート向けお餅」の メカニズムを説明する 関西大学の河原秀久教授

「アスリート向けお餅」の
メカニズムを説明する
関西大学の河原秀久教授

通常、餅は冷めると硬くなる。冷凍しても同じで、柔らかいままの状態を保つことができなかった。しかし、天然由来の物質で氷の再結晶化を止める能力を持つ「不凍タンパク質」を利用することで、解凍後も柔らかい状態を一定期間、持続できる餅を開発することに成功した。関西大学の研究室で発見した不凍タンパク質を含んだエキスを活用。大阪府堺市の和菓子屋「河月堂」の協力を得て、硬くなりにくいお餅を開発した。

河月堂は、正月に集中しているお餅の需要を通年化したいという思いがあった。また昨今、盛んなマラソンでランナーのレース前の食事として餅が適しているという点に着目し、サプリメントとは異なる「新しいアスリート向けの食べ物=餅」を開発・提供する考えに至った。

関大と河月堂は昨年11月、解凍後の餅が常温で3日間、柔らかい食感が保てる基本的な製造技術を確立。学内の学生アンケートで食べやすい丸型に整形し、「アスリート向けのお餅」の完成に漕ぎ着けた。来月4月からの販売を予定している。販路は当面、河月堂が主体になるだろうが、今後はスポーツ小売店など関連チャネルへも拡販できれば、新しいサプリメント、スポーツ食として市場を形成できるかもしれない。

もう1つの事例は、3D体験型のゲームマシン「カーボンライダー」。これは香港のXNT 社が開発したエアロバイクと画面が連動したバーチャルゲーム機で、ペダルを漕いだスピードや回数に合わせて画面の風景が動き、実際の街中を自転車で走っている感覚を疑似体験できる。ナレッジキャピタルの海外パートナーである「香港サイバーポート」で育ったXNT社のアンディ氏がナレッジキャピタルへの出展を決めた。

マシンでは利用者の心拍数や体温、走行距離、生成エネルギーなどを計測してクラウド上に送信され、燃焼カロリーなどが計算される仕組み。発表会では大阪の街並みをプログラムしていたが、ソフトを替えればほかの都市の街並みを画面に移すこともできるという。

XNT社は現在、国内でビジネスパートナーを探している。イベントなどへ貸し出す活動を続ける予定で、今後も営業活動を続けるようだ。