ヤンマーがコンセプトウエアを発表
update: 2013/07/29
農機具やマリンエンジンを手掛けるヤンマーが、農業およびヨットのコンセプトウエアを製作、公表した。7月25日に発表された同社の新しいブランドロゴ、ヨットの新製品などと共にお披露目された。
機能性、着やすさを重視
同社が昨年3月に創業100周年を迎えたのを機に、ブランドのロゴや主力製品のデザインを刷新した。同時に強みの農業およびマリンのウエアを製作。既存の農作業着、マリンウエアの概念を打破するウエアとして、お披露目した。
コンセプトウエアには、非常に力の入っていることがうかがえる。デザイナーには、「イッセイミヤケ」でクリエイティブディレクターを務めた経験のあるNAOKITAKIZAWA DESIGN 代表の滝沢直己氏を起用。マリン(ヨット)ウエアとアグリカルチャー(農業)ウエアをそれぞれ機能性・デザイン性の両面から製作した。
マリンウエアは、コーポレートカラーの白と赤(茜)色を基調にした。「海外のラグジュアリーブランドをコンペティターに想定」(滝沢氏)している。ヨット上、海上で必要な機能性――防水、透湿、保温といった要素を重視した。素材は20デニールのナイロン高密度織物。ダウンベストには欧州産の800フィルパワーのダウンを使用している。ファスナーは止水仕様。3レイヤーパーカーには再帰反射を施した。
アグリカルチャーウエアはいわゆる農作業着だが、仕事のしやすさと機能性、デザイン性を重視した点ではマリンウエアと共通している。実際、農作業従事者から「直接、意見を聞き、デザインや仕様にその声を反映させた」(滝沢氏)という。
土の色をイメージしたチタニウムブラウンをキーカラーに使用。アクセントカラーはレディスがピンク、メンズがブラックだ。ナイロンのストレッチ素材を使用し、軽量化を追求した。生地を超音波カットし、裏側からテープで張り付けたシームレス加工。地面にしゃがんだ時の動きを妨げないよう腰の後ろ部分にプリーツが入っている。
いずれのウエアも、その機能性から想定すると、上代は既存の高機能スポーツウエアと同等(3−4万円)あるいはそれ以上になると思われる。販路開拓も必要で、現段階での拡販は難しい。しかし、その仕様は既存のアウトドアやマリンスポーツブランドのウエアと比べても遜色がない。
既存のスポーツウエア市場に一石を投じることができるだろうか。