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デサントが中期経営計画を発表
売上高1,200億円、営業利益80億円を目指す

update: 2013/05/27

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新中期経営計画を発表する 石本雅敏・次期社長

新中期経営計画を発表する
石本雅敏・次期社長

デサントが5月24日、2016年3月期(2015年度)を最終年度とする新しい中期経営計画「Compass 2015」(コンパス2015)を発表した。「デサント」を強化ブランドに据え、アジア地域を中心に強みのスポーツアパレルを拡販。リテール型オペレーション(運営)のスタンダードを確立して店舗数を増やし、ホールセール(卸)ビジネスにもそのノウハウを活用する。

5つのグローバル化を推進

今期(2014年3月期)から2016年3月期の3年間で、2013年3月期に919億3,200万円だった連結売上高を1,200億円、同じく54億1,900万円だった営業利益を80億円、同じく35億6,100万円だった当期純利益を50億円にそれぞれ伸ばす計画を立てた。連結売上に占める海外比率は610億円(欧米30億円、アジア580億円)、51%と国内を上回る見通し。最終年度の業績目標数値はいずれも過去最高額だ。

基本方針に掲げる、5つのグローバル化を通じて、増収増益を目指す。1つ目のグローバル化は「商品政策」。拡販が期待できる新規市場へ向けて、商品を投入する。アジアでは「アリーナ」ブランドの拡販に力を入れるほか、13年秋冬からは「デサント」の「トランスフォームジャケット」をグローバル展開する。また、13年春夏から中国で現地企画をスタートした。

2つ目は「販売政策」のグローバル化。各エリア・ブランド・カテゴリーに適したビジネスモデルを構築し、販売強化と新規開拓を進める。エリアごとに適切な代理店と提携することも重要な政策の1つだ。

3つ目は「プロモーション政策のグローバル化」。プロモーションをグローバルで共有し、ブランドの世界観を統一する。また、トップアスリートへ商品を提供することで、ブランド露出と本物感をアピール。チームへの商品提供により選手のニーズをとらえて、それを商品企画へ反映させる。

4つ目は「リソース」のグローバル化。これまでは様々なリソース(資源)を日本から海外へ提供していたが、これからはグループ全体で活用できるよう体制を整える。また、「ルコック」や「アンブロ」など、ブランド本社との連携も強化する。

5つ目は「経営インフラ」のグローバル化。IT基盤の構築とサプライチェーンマネジメントを推進する。同時に人材育成の面でもグローバル化を促進。今期から、優先的にグローバル分野へ配置する職域を設けたほか、その道のプロとしての職能を極める「スペシャルグレード」という制度も設置した。役員にならなくても、そのカテゴリーのプロとして部長級の報酬が得られるという役職だ。人事制度にめりはりをつけることで、社員のモチベーション向上と専門性の向上を狙ったものとみられる。海外関連会社との間で、人材交流も始まっている。