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帝人フロンティア、機能素材ビジネス
今期は減収減益の見通し

update: 2020/12/09

通期の業績見通しは減収減益 (写真は主力「デルタ®」の新モデル「DELTA®ntr™」)

通期の業績見通しは減収減益
(写真は主力「デルタ®」の新モデル「DELTA®ntr™」)

帝人フロンティアの機能素材ビジネスの通期(2020年度)業績は、コロナ禍の影響で第1四半期(4-6月)の落ち込みが大きく、第2四半期(7-9月)に苦戦した。減収減益の見通しだ。その半面、新しい素材の開発は堅調に進んだと考えている。差別化ができる独自素材を拡販する事が当面の課題となる。

スポーツはパーソナルユースが動く

通期業績は、前年同期比で20%減前後に落ち着くと予測している。例年、6月頃に開催する素材展もオンラインに切り替えた。十分な顧客との会話ができなかったこと、素材に直接触れる機会がなくなったこともあり、リアル展示会の重要性を再認識したようだ。下期に入り、10月以降は米国などでも動きが出てきた。特にアウトドアなどアクティブ系での回復が見られるという。

「DELTA®ntr™」。 スパン調の表面感が特長

「DELTA®ntr™」。
スパン調の表面感が特長

スポーツ分野では、集団で活動する部活動関連の種目──競技系が苦戦傾向にあった。その一方で、パーソナルユースの色合いが強いジョギングやサイクリング、ヨガ、キャンプなど、同社が「アクティブ」と呼ぶアウトドア系のスポーツの需要が高まった。吸汗拡散機能に優れる「カラット®」や、ヨガウエアなどに求められる汗ジミを防止する機能を持つ「デュアルファイン®」などの素材に対する需要が増えている。前述の好調なスポーツシーンを裏付ける動きだ。

世界的に影響を受けたコロナ禍だが、欧州市場は予想よりも動きは良いようだ。販路ではECがキーワードになると考えている。素材のトレンドは、アウトドアから派生したサステナブルの重要性が高まっている。

2022年春夏シーズンで新たに提案する素材は、主力「デルタ®」の新モデル「DELTA®ntr™」(デルタ エヌティーアール)。スパン調の表面感で、再生素材を採用した、昨今のトレンドを意識した新素材である。