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アシックスとデサント
アパレルとシューズの生産・開発拠点を強化

update: 2017/09/29

アシックスアパレル工業の新工場(外観)

アシックスアパレル工業の新工場(外観)

アシックスとデサントが今年8月、アパレルとシューズの生産・開発拠点の強化を進めている。アシックスは福井・越前市に新工場「アシックスアパレル工業」を建設した。デサントは大阪府茨木市にアパレルの研究・開発施設「R&Dセンター」を、韓国・釜山にシューズの「R&Dセンター」の建設に着工した。

商品力の向上を狙った設備投資

アシックスは、“効率性を高めた柔軟な生産体制で高付加価値アパレルを生産する”目的で、100%子会社であるアシックスアパレル工業株式会社の新工場を建設した。昨年(2016年)11月1日着工し、今年2017年8月16日に完成した。

デサント、アパレルの「R&Dセンター」 完成予想図(外観)

デサント、アパレルの「R&Dセンター」
完成予想図(外観)

新工場は、アシックスアパレル工業(株)が福井県越前市内に保有していた「福井工場」と「武生工場」を統合した。延床面積は、5,164㎡、鉄筋造りの1棟・2階建ての構造。トップアスリート向けのスポーツウエアや各種競技向けのチームウエア、学校体育衣料向けのウエアなどを生産する。

アパレル製品の、多品種・小ロット・短納期生産を目的にした。“繊維加工の集積地”である北陸という立地特性を活かし、日本製の高付加価値商品の開発・生産にも取り組む。また、国内唯一の自社アパレル生産の拠点として、神戸の本社と連携を取りながら、縫製技術や各種加工に関する研究も行う計画だ。

一方、今年8月、着工したデサントのアパレルの「R&Dセンター」(大阪府茨木市)は、延床面積が約4,400㎡、地上2階の構造。人工気象室や測定機器、品質管理試験機、降雨実験室、全天候型トラック、最先端設備のアトリエ(型紙から縫製までのサンプル品を製作する)などを設置する予定だ。同センターでは4つの強化点、①競技シーンで求められる機能性をトップアスリートと共同開発する、②その機能性を形にしたスポーツウエアを開発する、③先端技術を駆使した縫製技術を開発する、④その①~③を安定的に実現できる品質基準を制定する、ことを重視する。

デサント、シューズの「R&Dセンター」 完成予想図(外観)

デサント、シューズの「R&Dセンター」
完成予想図(外観)

韓国・釜山に建設するシューズの「R&Dセンター」は、延床面積が約1万6,000㎡、地下1階・地上2階の3層構造。ランニング・トライアスロン・トレーニング・サッカー・野球などのシューズを開発する計画で、工学的デザイン、製品コンセプトの立案、素材開発などを担う「デザインスタジオ」を設置する。完成品や物性の科学的性能評価を担う「リサーチラボ」、ラストやソールなどサンプル製作を行う「プロダクトラボ」を加えた、3つの機能を持たせる。

アシックスのアパレル新工場は8月17日から稼働を開始した。デサントの「R&Dセンター」は、共に2018年夏~秋ごろの稼働を予定している。