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ミズノのゴルフビジネス
「ミズノプロ」ブランドに集約
強みのカスタムクラブの拡大狙う

update: 2017/08/21

カスタム専用として展開する 「ミズノプロ」

カスタム専用として展開する
「ミズノプロ」

ミズノは今秋から、ゴルフクラブのカスタムオーダーを「Mizuno Pro」(ミズノプロ)ブランドに集約する。市場での差別化を図るため、カスタムクラブ専用ブランドとして位置付け、展開店舗を限定して顧客の獲得をさらに強化する。サービスの質の安定や、価格競争と一線を画するなどの狙いもある。

国内の自社工場を活用

同社のカスタムクラブはアイアンを中心に、「MP」シリーズが主力になってきた。ドライバー市場の開拓に課題はあるが、鍛造アイアンのカスタムクラブ市場では、優位な地位を占めている。この強みのカスタムクラブをさらに強化するべく、専用ブランドとして「ミズノプロ」に集約。販売も条件をクリアした小売店に限定することで、質とサービス、価格の安定を図る。

カスタム専用ブランド「ミズノプロ」を取り扱う小売店は「MIZUNO GCF(ゴルフカスタムフィッティング) SHOP」と命名。①同社の方針など価値観を共有できること、②カスタムクラブ提供に必要な設備投資ができること、③フィッティング販売を実践できること、が主な条件だ。全国およそ350店舗で取り扱う予定。

同社ゴルフ事業部の服部建策 事業部長は「ミズノプロ」に集約した狙いについて、「最高品質の製品を提供するために、1つのブランドに集約した」と説明する。「国内に鍛造工場(養老工場)がある強みを活かす目的もあった」(服部事業部長)ようだ。民間の調査によると、ゴルフクラブ市場に占めるカスタムの割合は10%程度だという。圧倒的に既製品が主流だが、それゆえ開拓の余地は大いにあると考えている。

自社工場の強みも活かす (写真はクラブヘッドの研磨作業)

自社工場の強みも活かす
(写真はクラブヘッドの研磨作業)

今回の「ミズノプロ」の展開について、もう1つ差別化策として提供するのが、「シャフトオプティマイザー3D」。従来あったスイング計測機器を進化させたもので、3代目に当たる。専用の計測器を装着したクラブでボールを3球打つだけで、各人のスイングに関する情報が得られる。より速く正確に計測することを追求した。また、プレーヤーに合ったクラブのヘッドのタイプまで薦めることができるため、フィッティングのハードルが低くなるというメリットも期待できる。

過剰供給、慢性化したマークダウンなど、国内のゴルフクラブ市場は収益を確保しにくくなっている。「ミズノプロ」を活用した新しいビジネス戦略は、どこまで顧客の心をつかむことができるだろう。