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アシックス、陸上競技ビジネスを強化
国内外でブランドの露出度を増やす

update: 2017/07/18

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8月開催のロンドン世界陸上で 日本代表選手が着用するウエア

8月開催のロンドン世界陸上で
日本代表選手が着用するウエア

アシックスが陸上競技の強化に乗り出している。元々、ランニング競技を強みにしているが、トラック競技においても、その存在感を高めようとしている。世界規模の陸上競技大会を通して、「アシックス」ブランドの露出を増やし、エンドユーザーの認知度を高めようという取り組みだ。

レプリカウエアの認識に変化

去る6月26日、公益財団法人の日本陸上競技連盟(東京都、横川浩会長)とアシックジャパンが共同で会見を開いた。来たる8月に開催される「第16回世界陸上競技選手権大会(2017/ロンドン)」に出場する選手を発表する主旨だったが、日本代表選手が着用するウエアのお披露目も兼ねていた。

アシックスはマラソンを軸としたランニングシューズを強みにしているが、トラックで行われる陸上競技ではまだ開拓の余地があった。2020年の東京オリンピックのスポンサー契約を締結した背景には、こうしたトラック競技のシーンにおいて、ブランドの露出度アップ・認知度向上を図る狙いも含んでいる。

昨年(2016年)に開催されたリオデジャネイロ・オリンピックの手応えも、こうした施策を後押ししている。特に男子400mリレーで日本代表が銀メダルを獲得したことで、同社が提供していたチームユニフォームの注目度も高まったという。リレー選手が着用した蛍光色を使ったユニフォームのレプリカに対するエンドユーザーの関心は高く、売れ行きも好調だった。

今回、発表した世界陸上向けの新しいユニフォームは、前回のリオ五輪のデザインイメージや考え方を継承した個性的なモデル。アシンメトリー(非対称)のデザインで、従来のトラックウエアにあまり見られなかった要素を採り入れている。

「レプリカウエアに対する一般ユーザーの認識も変わりつつある」(株式会社アシックス グローバルスポーツマーケティング統括部 統括部長 兼 アシックスジャパン株式会社 取締役、松下 直樹氏)と感じている。陸上ファンに限らず、インバウンド客もお土産として買っていくことが多くなってきた。今回の世界陸上では、日本を含め6カ国の代表ユニフォームを提供する予定。レプリカウエアを通じ、世界規模で「アシックス」ブランドの認知度拡大を目指している。