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「デサント」ブランド──ファッションシーンにも進出
ルーツの“スキーウエア”にヒントを得る

update: 2017/04/17

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普遍的な“良き定番”を目指して

「オルテライン」を主体に展開する 直営店「デサント ブラン」

「オルテライン」を主体に展開する
直営店「デサント ブラン」

「水沢ダウン」「オルテライン」には、スキーウエアの技術が活かされている。「バック・ボーンはスキーウエアにある」(山田ディレクター)。ほかのスポーツウエアに比べ、圧倒的に工程数が多いスキーウエア。目に見えないこだわりや高機能性が、個性的なブランドを求めるセレクトショップのバイヤーやその顧客に受け入れられたようだ。

普遍的な“良き定番”を追求した点もプラスに働いている。「(デザインを大きく)変えない勇気はいるが、ずっと残っていくウエアを作りたい」(山田ディレクター)。同社の水沢工場で生産される「水沢ダウン」は日本製──メード・イン・ジャパンである。昨今、差別化策の1つとして、日本製を謳うケースが増えているが、「水沢ダウン」の場合は、“ブランド力”を伴っている点が異なる。

日本製だけでは差別化が難しくなっている昨今、高機能商材を販売する時には、ブランディングも重要になっている。良き定番を追求する姿勢は、このブランディングに通じるものがある。「外国のバイヤーからは、よく『日本的な製品だ』と言われますが、とても嬉しいものです」(山田ディレクター)。日本の“ものづくり”が、世界で認められた数少ない事例だろう。