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主要合繊メーカー、2018年春夏展まとめ(下)
得意分野をさらに強化する

update: 2016/12/21

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東洋紡STC。最軽量素材の 「シルファイン®N:6T」

東洋紡STC。最軽量素材の
「シルファイン®N:6T」

主要合繊メーカーの2018年春夏展示会。得意分野をさらに強化する動きもみられる。これは他社と住み分けできるメリットがあり、安定した収益も見込めるためだ。機能素材の打ち出しかたにも、メーカーの個性が表れるようになってきた。また、スポーツ市場と並び規模の大きなユニフォーム市場を意識した取り組みも散見される。

住み分けめざし、強弱をつけた素材提案

全方位的な素材展開の東レは、新素材の「モイストプラス®」、推奨素材の「プライムフレックス®」に加え、重点素材をいくつか指定している。通気性に優れる織物「DotAir®」(ドットエア)がその1つ。通気孔を持つ織物素材で、「クールビズ」など夏物のメンズジャケットなどにも採用されている。プリントすることにより、通気孔を目立たせなくすることができるため、用途の幅が広がる。

そのほか東レでは、アウトドアなど透湿撥水機能を持つ定番素材「ダーミザックス®3D」「エントラント®3D」も重点素材に位置付ける。そのほか、軽量高密度織物「エアータスティック®」、ストレッチ糸「ライクラ®」との複合糸を使用したストレッチ性と質感に優れる織物「プライマリスト®」も重点素材である。

帝人フロンティアでは、「エコピュアー®」を提案した。改質ポリエステルを使用した臭いを抑制する機能がる。前から展開している素材で多少、割高だが、汗の臭いを気にするレディスユーザーを意識している。“軽運動”が主体のアスレジャーの流行が後押ししている側面がある。

東洋紡STCでは、高密度ナイロン織物「シルファイン®」シリーズにおいて、6デシテックスの糸を使用した最軽量素材「シルファイン®N:6T」を新たに開発・提案した。一般ナイロンに比べて目付、生地厚が約半分以下という超軽量・薄手素材だ。発色性もよく柔らかい風合いが特徴である。アウトドアシーンがメーンの素材群だが、カジュアルシーンでも様々な可能性がある。