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アコーディア・ゴルフ、MBKPリゾートの買収により上場廃止に

update: 2016/11/30

国内のゴルフ場運営大手のアコーディア・ゴルフが11月29日、MBKPリゾート(ミドリ・ディベロップメント・カンパニー・デズィグネイテッド・アクティビィティ・カンパニー)の買収により今後、上場廃止を目的にする旨を発表した。

アジア圏の総括的なゴルフビジネスの取り込みを視野に

同社の買収先は、MBKP社で、アジアのChinaおよびKorea市場における、ゴルフ場運営事業の拡大を目指している企業。11月29日現在で、約145億米ドル(約1兆6,240億円、1米ドル=112円で換算)の運用資金を有している。

今回の買収の背景には、インバウンド(訪日客)の需要を取 り込んでいく狙いがある。また、同時にゴルフ場の迅速な経営判断を推し進めるために、非上場化が最適だと判断したという。株主の利益悪化を避けるためもあり、上場を維持するよりも非上場化し、より資産の有効活用ができる体制を整えることが有益だと判断した模様だ。

同ファンドのMBKP社は、MBKパートナーズが間接的に所有する企業。同グループは2005年3月、日本のほかChina、Koreaの3カ国の市場開拓を目的として設立された。今後も日本のほか、ゴルフ人口が増えると期待されるChina、Korea地域へのゴルフ場の拡充を目指した買収施策だと考えられる。

財務面の健全化──ディスクロジャーが最大の懸念材料

今回の買収により、日本国内における大手のゴルフ場運営会社――アコーディア・ゴルフおよびPGMグループ(以前にすでに非上場化。平和グループ傘下に入る)が共に非上場化することになる。“公器”としてのゴルフ場運営会社の大手2社が非上場化することは、経営の透明化という観点で、評価できる傾向とは言えない。まして、アコーディア・ゴルフは財務面で懸案を抱えている。自己資本比率も低い上、有利子負債額が多いため、D/Eレシオの比率が高かった。 

こうした財務面の重荷が、非上場化により不明瞭になることは、企業の信用面においては、決してプラスにはならないだろう。国内ゴルフ場の、運営面における健全化の進むことが、ひいては国内ゴルフマーケットの隆盛につながるわけで、こうした点において、両社(アコーディア・ゴルフ、PGMグループ)の善良で健全な企業運営に対する期待度は高いと言えるだろう。