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2020年の区切りへ向けて──
出揃ったスポーツ主要各社の中期計画を俯瞰する(上)
5カ年の中計を掲げる企業が増加

update: 2016/05/25

アシックス、 中計「AGP2020」の 数値目標一覧

アシックス、
中計「AGP2020」の
数値目標一覧

東京オリンピックおよびパラリンピックが開催される2020年へ向けて、スポーツ主要各社の中期計画が出揃った。中期計画を見直す更新年に差し掛かったメーカーが多かったためだが、5カ年が多くなった背景には、2020年という区切りの年を意識した面がある。

アシックス、連結売上高7,500億円を目指す

前述の通り、2020年を区切りだと意識して、今期から5カ年の中期計画を掲げる企業が半数以上を占めている。実際、新しい中計を5カ年で策定したのはアシックス、デサント、ゴールドウイン、ダンロップスポーツだ。

ちなみに美津濃(ミズノ)は1年ごとに今後3年間の業績目標を修正、公表しているが、中期計画と銘打った計画はない。グローブライドは現在、3カ年計画の3年目に突入している。ゼットは社内向けの数値目標はあるが、社外へは公表していない。ヨネックスは中長期において、ROE(自己資本当期純利益率)とROA(総資産経常利益率)を主要な経営数値にしているが、具体的な数値目標は掲げていない。

アシックスは旧5カ年計画をリニューアルし、新中期経営計画「ASICS Growth Plan(AGP)2020」を策定した。5年後に連結売上高7,500億円以上、営業利益率10%以上(750億円以上)、ROE(株主資本当期利益率)15%以上というのが主な数値目標だ。

そのほかアシックスでは、カテゴリー別の売上高目標も掲げている。主力は「ランニング」で4,000億円以上。シューズのほか、アパレルやアクセサリー類も含んでいる。コアパフォーマンスが1,000億円以上、ライフスタイルが900億円と続く(別表参照)。販路別では、直営店で1,350億円以上、全体のおよそ18%を占める計画だ。

中計上では、アシックスが最終年度に目指す売上高は7,500億円以上だが、世界のスポーツメーカーの3本指に入るためのベースになる規模感は1兆円と考えている。新中計の先には、グローバル市場で台頭に渡り合えるだけの基盤を整えようという狙いが垣間見える。(続く)