ウエアハウス2015年秋冬展示会
1930年代に生産された
貴重なジーンズを復刻
update: 2015/06/01
ウエアハウスの2015年秋冬展示会が今回初開催となる合同展示会『クラッチコレクション』内で、5月26~28日まで開催された。前回の展示会に引き続き、同社20周年を記念したアイテムを提案する。
メインブランドである「ウエアハウス」では『メイド イン・ザ・ウエスト』を秋冬のテーマとし、20周年記念アイテムとして1930年代後期にモンゴメリーワード社から生産販売された貴重なデニムを復刻させた。
「モンゴメリーワード」とは「J.C.ペニー」「シアーズローバック」と並ぶ、アメリカ3大ス トアブランドの1つ。1872年に創業し、世界初のメールオーダーによるカタログ販売を始めた企業。30年代当時のアメリカではデュード・ランチ(牧場観光)ブームが沸きおこり、ゆとりのある東部の富裕層たちが夏の休暇を牧場で過ごすとき、ジーンズを穿くカウボーイたちに憧れ、自分たちもジーンズを着用していたという。その時のモンゴメリーワードのカタログには、1937~39年に全米ロデオ選手権でチャンピオンになったカウボーイ3名にジーンズのデザインを依頼したことが記されてあった。そのことから、この度、デットストックで発見されたデニムが、30年代後期の一時期だけに生産された貴重なデニムであることが判明。20周年に相応しいストーリー性あるモデルとして作られた。
当時のデザインをそのまま復刻した、モンゴメリーワードタイプ(バックルバックモデル)は2万4000円(税抜)、近年のトレンド傾向に合わせ、スリムなシルエットでバックルなしのデザインは2万2500円(税抜)で展開する。
「ヘラーズカフェ」からは、1950年代のトリプルステッチカバーオールに総柄の様なペイントアートが施されたカバーオールが登場。戦時中は支給された衣料にペイントしてカスタマイズすることに米軍は目をつむっていたと言われており、おそらく兵士が様々な思いを込めて描いたイラストもペンキプリントで再現した。プリントを施したタイプは5万2000円(税抜)、プレーンタイプは3万6000円(税抜)で展開する。
労働着からトレンドファッションへ昇華した歴史や戦時中でも自分らしさを表現するためのカスタマイズなど、デニムの歴史に触れられるウエアハウスの展示会に、今後も注目していきたい。
(ファッションライター 苫米地香織)