ドミンゴ「ブロカント」2015-16秋冬展示会
原点に立ち返ってものづくり
update: 2015/05/07
株式会社ドミンゴが展開するブランド「ブロカント」の2015-16年秋冬展示会が4月21~23日に行われた。シーズンテーマは「リグレシオン」。「回帰する」と言う意味を持つフランス語だ。
「ブランド立ち上げ時に重きを置いてきた“ヴィンテージ”や“ミリタリー”などの古着から着想を得たものづくりにもう一度立ち返って、ブランドを発信していこうと考えました」と話すディレクターの平井桐子さん。ドミンゴと言えはデニムをメインに扱う会社だが、2015-16秋冬立ち上がりに「あえてデニムは入れませんでした」とのこと。年間通してデニムは継続しているので、あえて新作を打ち出さないことで「ブロカント」のブランドコンセプトを明確にさせたいと言う思いが込められている。
シーズンイメージを際立たせるアイテムとしてパンツが非常に人気。特に今回の展示会では定番で出しているワークパンツの秋冬バージョンとして「フレンチワイドトラウザー(1万4500円全税抜)」を提案。バックスタイル、タックの入り方、ポケットの仕様など、ヴィンテージのチノパンの作りを忠実に再現。素材も当時の様なしっかりと厚みのある生地を穿きこんだように加工している。
バイヤーたちが反応したアイテムが「アミライルイージーパンツ(1万5500円税抜)」。古着屋などに置いてあるメンズのミリタリーパンツのデザインをそのままに、女性が穿いたときにきれいなシルエットになる様に改良したというワークパンツ。
「古着の場合はウエストを紐のみで調節するものが多いのですが、後ろにゴムを入れることで穿きやすさときれいなシルエットになりました。また、テーパードシルエットにすることで穿いた時にスッキリとした感じに見えると好評でした」(平井さん)
この他にも当時、医療用に使われていたというワンピースからインスピレーションした「メディサンワンピース」、麻混ウールガーゼを加工することでウールの経年劣化を表現したという「ローブコート」など、アイテムひとつひとつに100年前の生活を思い起させるディテールと、今を感じるシルエットやデザインが上手く組み込まれたアイテムが並んだ。
(ファッションライター 苫米地香織)