ウエアハウス2015年晩夏展示会
ウエアハウス20周年を飾る物語あるデニム
update: 2015/03/16
2015年晩夏シーズンに向けたウエアハウスの展示会が3月10~12日に開催された。今回の展示会では、海外向けブランド「ブラウンダックディガー」からウエアハウス創立20周年を記念した国内展開モデルがお披露目がされた。
ワークウェアとしてのデニムの歴史や、今まで謎とされてきたステッチの意味を解明することで分かったデニムのストーリーを、ウエアハウス20周年に合わせて国内にも発信。国内向け第一弾として「1910’s ウエストオーバーオール(税抜2万3500円)」、「1950’s ゴールデンストレート(税抜2万1500円)」、「1960’s アイビースリム(税抜2万1500円)」の3型を展開する。
「ブラウンダックディガー」は14年1月にドイツ・ベルリンで開催されている展示会、ブレッド&バターで海外向けブランドとしてデビュー。ヨーロッパ各地から集まるバイヤーたちにも良い評価を得られてきた。ブランドの特徴はポケットのグリーンのペイントが施された“リーフステッチ”。1890年代の様々なブランドのジーンズに採用されていたリーフステッチの由来を、同社では「ワイルドイエローインディゴ」という、かつてアメリカ南部で自生していたインディゴの原種の葉ではないかと推測。元々は薬草として、虫除けなどに使われていた“インディゴ”をこの商品にも使用していることを謳うために施されたのではと考えた。再現するにあたり、単にステッチを施すだけでなく、葉を思わせるグリーンのペイントで今風にアレンジした。
もう1つはフロントの仕様に19世紀に「リベットよりも頑丈」と評判だったという、左右の前たちが一枚の生地からできている『コンティニュアスフライ』を共通して採用しているという。単に復刻版を作るのではなく、デニムに隠されたストーリーと共に復刻させた「ブラウンダックディガー」のデニムはとても興味深いものを感じた。
09年から始まった「ロッキーマウンテン」とのコラボレーションは今季も継続。15年秋冬モデルが発表された。同ブランド所有のアーカイブを参考に、ウエアハウスが支給する生地やレザーで作るという、両社の特徴を生かしたコラボ。毎年、入荷と同時に完売するという。また、ウエアハウス定番のロープ染色でインディゴに染める前の生成り糸を使用したホワイトジーンズからは今季スリムシルエットが登場する。
(ファッションライター 苫米地香織)