大阪・心斎橋に「H&M SHINSAIBASHI」がグランドオープン
日本最大規模、関西のフラッグシップに
update: 2013/04/13
へネス・アンド・マウリッツ・ジャパン(東京都)が運営するスウェーデン発のファッションブランド「H&M」(エイチ・アンド・エム)の日本最大規模の店舗「H&M SHINSAIBASHI(心斎橋)」が4月13日、大阪・心斎橋にグランドオープンした。売り場面積が約3,000㎡、地上4階、地下1階の5層構造で、レディス・メンズ・キッズすべての商品を扱うフルラインナップ展開。国内通算28店舗目で、関西のフラッグシップに位置付ける。
戎橋と心斎橋の2店舗体制に
関西地区では2011年3月6日、心斎橋の新店舗から徒歩10分足らずの戎橋に「H&M EBISUBASHI(戎橋) 1」を初出店。同年11月19日には「H&M EBISUBASHI 1」の真向かいへ2店目の「H&M EBISUBASHI 2」をオープンした。「H&M SHINSAIBASHI」の開店を機に「H&M EBISUBASHI 2」は4月13日、一旦閉店。6月1日、グループの別業態「WEEKDAY」(ウイークデイ)と「MONKI」(モンキ)へ転換し、再オープンする。「H&M」業態は心斎橋店と戎橋店の2店舗体制で営業を継続する。
「H&M SHINSAIBASHI」は心斎橋地区の目抜き通り、心斎橋筋商店街に面した好立地に位置する「心斎橋パルコ」の跡地を再開発した施設「心斎橋ゼロゲート」に入居する。フロアは地階「メンズ」、1階「レディス・アクセサリー」、2階「レディス」、3階「レディス・ランジェリー・マタニティー」、4階「キッズ」(身長50-170㎝)の計5層で構成。キッズラインの展開は大阪では初めてだ。12年4月21日にオープンした「H&M 名古屋松坂屋店」(約3,000㎡)と肩を並べる売り場面積で、日本最大規模を誇る。
各フロアにはマネキンを使いコーディネートを発信するスペースを設けた。エスカレーターの配置や比較的ゆとりのある通路など、回遊性・買い回りを考慮した売り場レイアウト。「フル・コンセプトの店舗で、家族連れがゆっくりと買い物できる」(クリスティン・エドマン社長)空間を目指した。
「集客力の高さ」が魅力
新店舗の周辺には同業他社、ファッション関連の路面店が集積する。「ギャップ」「ザラ」のほか、通りを隔てた正面には「ユニクロ」のグローバル店舗がある。戎橋店に至るまでの商店街筋には「ベルシュカ」や「G.U.」、「ジャーナルスタンダード」や「トミー・ヒルフィガー」、大丸大阪心斎橋店などが軒を並べる。一筋西側の御堂筋通り沿いには、ラグジュアリーブランドやスポーツブランドの路面店が出店している。4月20日には戎橋店の近くに「フォーエバー21」も開業予定だ。これらの店舗は十分、徒歩で回遊できる場所にある。競合は激しいがその分、集客力は高い。
クリスティン・エドマン社長は心斎橋店の出店理由を「この地区は集客力が高いため」と説明する。「ファストファッション業界に属しているとは考えていない。常に新しいニュースを発信するファッションブランドという認識だ」と語る。
4月18日には、神戸に開業する商業施設「神戸ハーバーランド umie(ウミエ)」、同月19日には大阪・梅田の元「阪急イングス館」の建物内にそれぞれ新店舗をオープンする。「ドミナント戦略では?」という問いには、「たまたま出店できる物件が重なっただけ」(エドマン社長)と否定した。「心斎橋地区でも、まだ顧客を開拓できるというポテンシャル(潜在能力)を感じている。今後、駅ビルや空港施設などへも順次、出店していく構想もある」(エドマン社長)と語り、当面は出店を続ける方針のようだ。
来春めどに「スポーツライン」がデビュー
また2014年の春をめどに、「スポーツライン」がデビューする予定。現在、スポーツブラや軽運動向けのアパレルなどを展開しているが、「メンズ・レディス・キッズを含め、高い機能性を付加したウエアを始める。シューズも一部扱う計画」(エドマン社長)だという。
4月12日には静岡に27店目がオープンした。19日オープンの梅田店で国内通算30店舗目に到達する。今秋には広島市内に、中国地方初の店舗を開業する予定。6フロア、約2,000㎡の規模になる計画だ。
(樋口 尚平)