展示会レポート
ジャパン・ベストニット・セレクション2016開催
update: 2016/12/13
国産ニット製品・テキスタイルニットに特化した展示会「ジャパン・ベストニット・sレクション2016」(主催:ジャパン・ベストニット・セレクション実行委員会/佐藤正樹委員長)が、東京国際フォーラムホールEにて、12/6(火)~7(水)で開催された。09年3月に第1回を開催し、今回で9回目の開催となる。今回は過去最高の66社が出展し、全国のニット製造業者が長年培ってきた高度な技術、繊細な感性、優れた生産システムなど、各社それぞれに駆使したオリジナル製品を披露した。
協賛として出展した島精機製作所のブースでは、今年9月から提供を始めたWEBサービス「staf(スタッフ)」を中心に、最新鋭のホールガーメント横編機「MACH2XS」、企画・デザインから生産・販売までのファッション関連のモノづくり全般をサポートする"All in One"の3Dデザインシステム「SDS-ONE APEX3」を展示。
「スタッフ」には1960年代からのファッションアーカイブやトレンド素材、トレンドカラーの情報、4大コレクションを中心にしたランウェイ写真、同社がこれまで保管してきた絵型、ニット柄、ニットサンプルなどの画像などがアーカイブされ、それらを使いアイデアをマップに落とし込めるツールが備わっている。さらには「SDS-ONE APEX3」へとデータをダウンロードし、製品イメージを即座に確認することが可能。これまでよりも簡潔にスピーディに製品化することができるようになる。
ホールガーメント横編機「MACH2XS」は新たに独自のスプリング式可動型シンカーを搭載することで、立体柄の編成や引き返し編成が容易に。立体的な編成が可能となったことで、スポーツウェアやアウトドアウェアへの利用や、デザインの幅が飛躍的に広がった。
特殊な千鳥ミシンで2枚の生地を突き合わせて縫う「TPS縫製」を使用したニットワンピースやコートを打ち出した「フェリアインターナショナル」。縫い代がフラットになった分、約10%軽くなり、着心地も良く、キレイなシルエットが表現できる。
無縫製編み機「ホールガーメント」を主力とした「ニットオカザキ」では、引き返し編みのサーキュラースカートやツイード調のニットなどを提案。サーキュラースカートは裾が縦に伸びないような仕様が施され、布帛のスカートには出せないキレイなフレアーが特徴だ。
米富繊維はファッションウィーク東京にも出展した自社ブランド「コーヘン」と「Made in Yonetomi」のタグを付したオリジナル製品を展示した。
最終日の7日には出展社の中から優れた技術・製品を表彰する「JBKS2016アワード」の発表と授賞式が行われ、今回はグランプリ(及び経済産業大臣賞)に丸和ニット株式会社、準グランプリに高橋ニット株式会社、米富繊維株式会社が選ばれた。
2日間の来場者数は3707名。次回は2017年12/6(水)~7(木)東京国際フォーラムホールE(2)にて開催する。
(ファッションライター 苫米地香織)