展示会レポート
2016年春夏ビッグジョン展示会
伝統と革新をテーマにブランド再編を進める
update: 2015/10/28
2016年春夏のビッグジョンは、ブランド全体のテーマを「伝統と革新」とし、国産ジーンズを作り始めて50年の歴史を振り返りながら、新しい素材を使い、今の消費者のニーズにも応えるアイテムの提案している。特に今シーズンはレディースブランドを中心に再編を行った。
主力のレディースブランド「ブラッパーズ」では、先行して百貨店向け商材をリニューアル。ブランドの若返りを図るため、ブランドロゴをシンプルなデザインへ、パッケージも合わせて変更した。
素材もより美脚を追求し、キックバックに優れたビーストレッチ素材を使用した「ファンデショナルガーメント」で、ホールド力のある美脚シルエットを作れるジーンズが登場。デザインシャツなども展開し、アイテムのバリエーションも広げていく。今後は専門店向け商材も徐々にリニューアルを掛けていくとのこと。
15年冬からスタートする「ビッグジョンレディー」もこの展示会でお披露目された。『丈夫だからこそ長く愛される。ジーンズ』をコンセプトに、70年代の雰囲気を持った、ボーイッシュでタフなだけど、女性の魅力を引き立てるシルエットに仕上がっている。古着が好きな女性に向け、素材も12~13オンスの厚めなものを使用。自然に色落ちしたような加工やダミーのボタンフライ仕様が施されており、見た目にも古着っぽさが感じられる。90年代後半のアメカジブームを体感した世代には懐かしさがあり、その時代を知らない世代には新鮮に感じられるだろう。
レディースのセレクトショップ向けブランド「クリーンデニム」も70年代をキーワードに古着の様な加工、遊び心があるデザインデニムを提案。今シーズンからはデニムシャツも加わり、トップス比率を上げていくとのこと。
前回の展示会で発表された「ビッグジョン コンプリートフリー」は8月末から本格的に発売され、予想以上の売れ行きだと言う。現状、数ヶ月先のリピート分も先行して出している状況だ。特に店頭販売では接客、試着をすると90%はお買い上げしていき、早くもリピーターが付いてきている。
次シーズンにはむら加工を施したもの、ブラック&カラー素材、トラウザーデザイン、シャツが登場する。
近年、各メーカーでファッション専門学校との産学連携での商品開発が話題となっているが、今回、同社と織田学園とがコラボレーション。16年春夏商品が発表された。加工やデニムのパターンを活かしたユニークなデザインで会場の中でも目をひいた。
(ファッションライター 苫米地香織)