シキボウ、2021年春展示会 テーマは「Life with new “normal”」
「サステナブル素材」と「フルテクト®」を主軸に提案
update: 2021/04/16
シキボウは2021年春の展示会において、「Life with new “normal”」(ライフ・イズ・ニュー“ノーマル”)をテーマに据え、「サステナブル素材」と「フルテクト®」の2大製品を主軸に提案する。昨今の市場ニーズを意識した企画に加え、強みとするサステナブル系素材と、抗ウイルス機能加工を主軸に据えた。
得意の“米綿”で「TRUST PROTOCOL™」を取得
今回の大きな提案の1つ「サステナブル素材」では、得意とする“米綿”(アメリカ綿)において、新しいサステナビリティー実証システム「U.S. COTTON TRUST PROTOCOL™」(トラスト プロトコル)を取得した。「Better Cotton Initiative (BCI)」(ベター コットン イニシアチブ)とは内容が異なるが、企業のサステナビリティーを数値化し、より“見える化”した点が特徴だ。
アメリカ綿のサステナビリティー実証システム「U.S. COTTON TRUST PROTOCOL™」では、農家が綿花の栽培における土壌管理や水資源、労働環境など9分野、120項目の基準で管理する。この基準に基づくデータを第三者が検証する仕組みだ。
これを機に、同社のカートンボックス(段ボール箱)を「U.S. COTTON TRUST PROTOCOL™」の文字と、片仮名の「シキボウ」の社名が入った新しいデザインにリニューアルした。同社の新しい取り組みをアピールする狙いがある。
そのほか「サステナブル素材」では、前回に続いて「OFFCO NANO®」(オフコナノ)を提案。焼却される際の二酸化炭素の排出を大幅に削減する性質を持つポリエステルだ。
応用分野が広がる「フルテクト®」
2つ目の大きな提案の柱が、抗ウイルス加工の「フルテクト®」。マスクでエンドユーザーから支持を集めたほか、タオルやシャツ、靴下など採用アイテムが増えている。ファッションブランド「アンリアレイジ」でも引き続き使用しており、今後もアパレル製品に拡大させていく計画だ。
強み分野の1つ、ワーキングでは、独自の縫製仕様「NONPUL」(ノンプル)に注目が集まっている。おおよそ30年の歴史がある技術で、腕から脇、腰までの生地を1枚で構成。切り替えで前身頃と後ろ身頃をつないでいる。腕の動きが良くなり、作業しやすくなるメリットがある。ワーキングに加え、最近ではスクールのジャケットにも採用される事例が増えてきた。
2021年春展示会は大阪に続いて、来週20-22日に東京で開催予定(東京都中央区日本橋、プラザマーム)。5月のゴールデンウイーク明けには前回に続き、オンライン上での「バーチャル展示会」も計画している。
(樋口尚平)