「ルクア イーレ」の「エストネーション大阪店」
ライフスタイル提案で顧客を呼び込む
update: 2019/08/28
《店頭レポート》
大阪・梅田の複合商業施設「ルクア イーレ」に出店するセレクトショップ「ESTNATION」(エストネーション)は、独自の世界観を持ったライフスタイル提案で顧客を呼び込んでいる。ジーンズ商材も良き定番アイテムになっており、ファッション感度の高い同店の顧客に浸透しているようだ。
ジーンズは良き定番として浸透
同店は、「サザビーリーグ エストネーションカンパニー」(東京都渋谷区)が運営するセレクトショップで、全国12カ所に出店している。「ルクア イーレ」店は同施設の3階に店舗を構える。国内外のセレクト商材を中心に品揃えし、“高感度で上質感があり、きれい目”といったテイストが特徴だ。主な顧客層は、感度の高い自身のスタイルを確立した大人のエンドユーザーで、40代がメーン。JR大阪駅に近い立地もあり、20-70代と幅広い来店がある。
共通したテイストの商材を集め、スタイリングを提案するため、取り扱うアイテム数は多くなる。アパレル類を筆頭にシューズ、アクセサリー、スニーカー、眼鏡、生花、フレグランスなどだ。買い付け品が70%、自社製品が30%という商品構成。自社品がメーンのセレクトショップが主流の中、王道のMDを構築している。
ジーンズも常連アイテムとして、“定位置”を得ている。レディスではデーリーユースの1アイテムとして認識されている。前述の通り、上質感やきれい目を求める顧客が多いため、テーパードの美脚シルエットが人気である。ハイヒールに合わせるユーザーも少なくない。人気の定番ブランドは「レッドカード」「AG」「フレームデニムマザー」など。加工は抑えめで、上品なテイストのジーンズが売れ筋だという。一方、メンズは個性を発揮するアイテムとしてのニーズが高いようだが、テイストはレディス同様、きれい目だ。
新しい“ジーンズ”の可能性が広がるか?
顧客には、始めにブランドロゴありきではなく、「(ブランド関係なく)良い商品品を求める傾向が強い」(エストネーション大阪店、佐藤雄也メンズ Div.マネージャー)。ジーンズを単体で買い求める客層とは一線を画している。自分が好きなコーディネートに適したジーンズを選ぶというファッション愛好家が主流のようだ。
同店における、ジーンズを組み合わせたスタイリングの定番もきれい目だ。レディスでは、ボトムスが細身シルエットのきれい目ジーンズ、トップスはブラウスにジャケットを羽織ったコーディネートで、服飾雑貨はレザーバッグ。カジュアル過ぎない「知性を感じさせる」(多久喜子 ウィメンズシニアマネージャー)テイストが特徴だ。
はじめにジーンズありきではなく、スタイリングに合わせて選択するというファッション感度の高い顧客層。「(ボトムスの1つである)ジーンズを、スカートと見比べて選ぶ、という方が多い」(多久シニアマネージャー)ようだ。同店では、ファッションアイテムとしてすっかり定着している。まだまだ単品買いの傾向が強いジーンズ。コーディネート販売と言う、新しい可能性の拡大につながるだろうか。
(樋口尚平)