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主要上場国内アパレル6社、2022年2月期 第3四半期まとめ
収益性が改善、全社で復調の兆し

update: 2022/01/17

主要上場国内アパレル6社の 2022年2月期 第3四半期は復調の兆しが見られる結果となった (画像はオンワードホールディングスの説明資料から抜粋)

主要上場国内アパレル6社の
2022年2月期 第3四半期は復調の兆しが見られる結果となった
(画像はオンワードホールディングスの説明資料から抜粋)

主要上場国内アパレル6社の2022年2月期第3四半期(3-11月)が出揃った。全般的に収益性が改善し、全社で復調の兆しが見られる結果となった。コロナ禍の影響は残っているが、各社の施策が徐々に成果を表わしつつある。

4社が増収増益基調に

主要上場国内アパレル6社、2022年2月期 第3四半期 財務数値一覧(表1)

主要上場国内アパレル6社、2022年2月期
第3四半期 財務数値一覧(表1)

対象にした企業は、オンワードホールディングス、アダストリア、TSIホールディングス、パルグループホールディングス、三陽商会、バロックジャパンリミテッドの6社(順不同)。いずれも2022年2月期で、2021年11月末に第3四半期を迎えた企業だ。

コロナ禍で苦戦を強いられた前年同期と比較して、各社の業績は復調傾向にある。オンワードホールディングスを除く5社が増収を達成した。利益面では4社が増収、黒字回復した。損失を計上した2社も損失額が小さくなっている(表1を参照)。

オンワードホールディングスは減収、損失を計上した。自粛要請の影響で9月の商況は厳しかったが、10月以降は回復した。国内のアパレル事業が堅調に推移した。第3四半期(9-11月)の既存事業ベースでは23億円の増収となった。利益面も各段階で増益を達成した。海外のイタリア事業の構造改革で発生した98億円の減収がマイナス要因となった。

主要上場国内アパレル6社、2022年2月期 第3四半期 セグメント別売上高(表2)

主要上場国内アパレル6社、2022年2月期
第3四半期 セグメント別売上高(表2)

アダストリアは、増収増益を達成した。主力ブランドの「グローバルワーク」が売上高276億600万円(12.6%増)の2ケタ増とけん引役になった。主要ブランドの「ニコアンド」は同198億200万円(5.3%増)、「ローリーズファーム」は同148億7,200万円(3.9%増)、「スタディオクリップ」は同143億6,100万円(5.0%増)とそれぞれ堅調に推移した(表2を参照)。

TSIホールディングスは増収、黒字回復を果たした。主力の「アパレル関連事業」は売上高1,002億4,300万円(6.2%増)と堅調な推移だった。売上高は1,039億1,500万円(6.9%増)。営業損益は前年同期の82億円の損失から一転し、51億8,000万円の利益を確保するに至った。同様に経常損益も62億3,900万円の黒字となった。

パルグループホールディングスの第3四半期は、2ケタの増収、大幅な増益を達成した。店頭の売り上げをフォローするべくECにも注力した。「衣料事業」の売上高は629億8,400万円(15.8%増)と2ケタの増収を達成した。「雑貨事業」は同354億5,600万円(56.9%増)と好調な推移だった。

三陽商会の第3四半期は、増収・損失計上。しかし損失額は着実に縮小している。通期は黒字転換する見通しだ。他社と同様、9月は自粛要請の影響で苦戦したが、10月以降は回復した。第3四半期(9-11月)の売上高は2.1%増と堅調な推移だった。

バロックジャパンリミテッドは増収増益と健闘した。全ての販路で増収を達成した。売り上げの40%強を占める主力の「SCブランド」(ショッピングセンターブランド)が売上高186億6,300万円(19.7%増)とけん引役になった。                                    

(樋口尚平)

主要上場国内アパレル6社、2022年2月期 第3四半期まとめ 収益性が改善、全社で復調の兆し

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