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主要上場アパレル企業6社、2021年2月期 決算まとめ
コロナ禍の影響が色濃く残る結果に

update: 2021/04/22

主要上場アパレル企業6社の 2021年2月期はコロナ禍の影響で軒並み減収減益傾向に (画像はオンワードホールディングス「#Newans」)

主要上場アパレル企業6社の
2021年2月期はコロナ禍の影響で軒並み減収減益傾向に
(画像はオンワードホールディングス「#Newans」)

主要上場アパレル6社の2021年2月期(2020年度)の決算が出揃った。上期を中心にコロナ禍の影響を受け、全社が減益または損失を計上する厳しい結果となった。リアル店舗の閉鎖が業績の足を引っ張ったが、ECの売り上げが伸びるなど明るい材料も見られた。

ECビジネスが成長見せる

主要上場アパレル企業6社、2021年2月期 財務数値一覧(表1)

主要上場アパレル企業6社、2021年2月期 財務数値一覧(表1)

今回、対象にした企業はオンワードホールディングス、TSIホールディングス、アダストリア、三陽商会、バロックジャパンリミテッド、パルグループホールディングスの計6社(順不同)。参考に、決算期の移行期にある良品計画(第2四半期、6カ月間の決算)も比較対象に加えた。別表1に列挙してあるので参考にされたい(表1を参照)。

コロナ禍で度重なる自粛要請が、リアル店舗に大きく影響した。ECの売り上げも伸びたが、まだ規模が小さいため、リアル店舗の落ち込みを完全にカバーするまでには至らなかった。自粛解除後の5月以降、秋商戦までは回復傾向にあったが、冬商戦は再び自粛要請が出されたことから、売り上げが急速に落ち込んだ。外的要因に振り回されたシーズンだった。

オンワードHD、2030年度に売上高3,000億円

オンワードホールディングスは2ケタの減収、200億円の損失を計上するに至った。国内の「リアル店舗」の売上高は816億円(44.7%減)と苦戦した。国内の「自社EC」ビジネスは357億円(31.1%増)と好調な推移だった。国内ECトータルの売上高は399億円(27.5%増)、売上比率は32.9%と高まった。

 また同社は、2030年度までの中期経営指標を公表している。商環境の変化を見据え、主力の「アパレル」ビジネスに加えて、「ライフスタイル」ビジネスを第2の柱に成長させる構想を立てている。2030年度には売上高3,000億円(アパレル2,000億円、ライフスタイル1,000億円)、営業利益250億円(アパレル100億円、ライフスタイル150億円)、ROE10%以上という数値目標を掲げた。

TSI、ゴルフやアスレジャー、ストリートブランドなどが健闘

TSIホールディングスは2ケタの減収、損失を計上するに至った。上期の減益分を取り戻せなかった。資産の売却により当期純利益を確保。今後の資金を確保している。コロナ禍によるライフスタイルの変化により、ゴルフやアスレジャー、ストリートブランドなどが健闘した。アスレジャー、ストリートの実績は売上高361億円(3.6%増)と健闘した。セレクト、オケージョンのブランドは同628億円(39.1%減)と苦戦した。

販路別ではオンワードHD同様に、リアル店舗が苦戦しECが健闘した。ECが406億円(12.0%増)だったのに対し、「百貨店」チャネルは124億円(41.7%減)、ファッションビルや駅ビルなどの「非百貨店」は567億円(34.0%減)と苦戦した。

国内のリアル店舗が伸び悩む

アダストリアは2ケタの減収減益。かろうじて利益は確保した。リアル店舗を中心にコロナ禍、自粛要請に大きく影響された。半面、国内WEB事業が売上高538億円(23.4%増)と好調な推移だった。国内のEC売上比率は30.6%(うち自社ECは約15.9%)。自社EC「ドットエスティ」の会員数も約1,170万人(140万人増)と増加している。

財務面の整備がほぼ完了した三陽商会(画像は説明資料より抜粋)

財務面の整備がほぼ完了した三陽商会(画像は説明資料より抜粋)

三陽商会は前期が14カ月の変則決算だったため、純然たる比較数値がない。売上高は379億円(対計画比0.2%減)とほぼ計画通りの推移だった。損益面は営業損失89億円、経常損失90億円と、損失幅が拡大した(表1を参照)。リアル店舗は苦戦したが、「EC・通販」が81億円(16.3%増)と健闘した。財務面では、黒字化回復のための足場固めが進んだ。課題は店頭の販売力、収益性の改善だが、反転攻勢に臨む態勢は整ってきた。

バロックジャパンリミテッドは2ケタの減収減益だったが、堅調な中国(China)事業が連結業績を下支えした。国内事業はコロナ禍の影響を大きく受けた。中国のジョイントベンチャーは売上高70億円(9.7%減)、セグメント利益6億円(30.6%減)だった。米国は黒字を確保した。国内EC売上高は94億円(21.25増)と健闘した。

パルグループホールディングスは、2ケタの減収減益だった。主力の「衣料事業」が売上高755億円(22.2%減)と苦戦した。EC売上高は35%以上の増収だった。他社と同様の傾向である。

良品計画は3カ年の中期計画を策定、出店を推進

良品計画は8月期決算への移行期にあるため、純然たる前年比がない。2020年9月-2021年2月までの上半期決算は、前年同期(2月期の下半期)で比較すると、売上高が2.7%増、営業利益が48.2%増、経常利益が52.6%増と実質的に増収増益だった。

また、2024年8月期を最終年度とする中期経営計画を策定。数値目標は明らかにしていないが、2030年を見据えた基盤作りの時期に位置付ける。2024年度までに日本で年間100店、中国(China)大陸で年間50店の出店体制(それぞれ純増)を構築する。また、ECを充実させ、リアル店舗との連携を強化する方針だ。                                    

(樋口尚平)

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