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ファーストリテイリング、2019年8月期 連結決算
海外ユニクロ事業がけん引し、増収増益に

update: 2019/10/16

2019年8月期 財務数値一覧(表1)

2019年8月期
財務数値一覧(表1)

「ユニクロ」や「GU」などを手掛けるカジュアルSPA企業、ファーストリテイリングの2019年8月期の連結決算は、「海外ユニクロ事業」がけん引役となり、増収増益で過去最高収益を達成した。「海外ユニクロ事業」の売上収益が初めて1兆円を突破した。「ジーユー事業」は増収増益で、好決算に貢献した。「国内ユニクロ事業」は微増収減益と伸びが鈍化した。

過去最高収益を達成、国内ユニクロ事業は伸び率が鈍化

グループ全体の売上収益は、2兆2,905億4,800万円(7.5%増)。「海外ユニクロ事業」および「ジーユー事業」が好調に推移し、増収を達成したが、伸び率は前期の2ケタ増から1ケタ台に落ち着いている。売上総利益率(粗利率)は48.9%(0.4ポイント減)と微減。販管費率も37.3%(0.1ポイント減)と微減した。

営業利益は2,576億3,600万円(9.1%増)と増収を達成したが、前期の2ケタ増より伸び率は鈍化した(表1を参照)。税引前利益は2,524億4,700万円(4.0%増)と増益。当期利益は1,625億7,800万円(5.0%増)で1ケタの増益だった。

グループ事業別の業績では、「海外ユニクロ事業」が売上収益1兆2億6,000万円(14.5%増)と、初めて1兆円台に到達した。営業利益は1,389億円(16.8%増)と2ケタ増を達成した。欧米市場も改善が見られたが、成長エンジンは「グレーターチャイナ」だ。同地域の売上収益は、5,025億円(14.3%増)、営業利益は890億円(20.8%増)。また、東南アジア・オセアニア地区も2ケタ増と好調に推移した。同地域の売上収益は約1,700億円、営業利益率は約16%(約272億円)だった。

「GU」ブランドを展開する「ジーユー事業」も好調だった。売上収益は2,387億円(12.7%増)、営業利益は281億円(135.4%増)で、2ケタ以上の増収増益を達成した。収益額は過去最高額である(表2を参照)。

ECビジネスも順調に拡大

2019年8月期 グループ事業別業績(表2)

2019年8月期
グループ事業別業績(表2)

ECビジネスは順調に拡大している。2019年度のグループ全体のEC事業の売上規模は2,583億円(売上比率11.6%)。年間平均で31%の増加率である。今期(2020年度)は売上高3,200億円(同13.7%)を計画している。中期的には、売上比率30%を目標に据える。ECビジネスの強化は、適時適品の即応体制の強化につながる。実店舗に加えて、Eコマース=郵送、コンビニエンスストアでの受け取りなど、購入客の利便性を高める狙いがある。

収益の伸び率は緩やかになったが、財務面は引き続き、安定している。効率性指標は軒並み低下したものの、流動性指標は改善した(表1を参照)。手元流動性資金が積み増しされ、同比率も5.7とさらに改善した。商品回転率、交差比率は低下したが、期末の棚卸資産(在庫)は減少している。

通期の業績見通しは、連結売上収益が2兆4,000億円(4.8%増)、営業利益が2,750億円(6.7%増)、税引前利益が2,750億円(8.9%増)、当期利益が1,750億円(7.6%増)。当期に引き続き、過去最高収益を目指す。

(樋口尚平)

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