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三陽商会、2020年2月期 第2四半期
増収するも、粗利率の悪化が影響し損失を計上

update: 2019/08/07

2020年2月期 第2四半期 財務数値一覧(表1)

2020年2月期
第2四半期 財務数値一覧(表1)

三陽商会の2020年2月期 第2四半期(1-6月)連結決算は、「EC・通販」などが健闘するなど増収を達成したが、“粗利率”の悪化を販管費の削減でカバーしきれず、損失を計上するに至った。ブランド別では、「エポカ」や「マッキントッシュ」のほか、コーポレートブランドが健闘した。

EC・通販が大幅な伸び

連結売上高は、297億3,500万円(1.6%増)と堅調な推移だった。決算期の変更(今期から、12月期を2月期に変更。1月から翌年2月末まで14カ月の変則決算)に伴い、棚卸資産の評価時期にズレが生じるなどした影響で、売上高総利益(粗利)が減少。その影響もあり、営業損失の額が拡大した。経常損失は8億2,700万円。四半期損益は、前期の「固定資産売却益」40億8,600万円の計上がなくなった影響が大きく、6億600万円の四半期損失を計上するに至った(表1を参照)。

2020年2月期 第2四半期 販路別売上高(表2)

2020年2月期
第2四半期 販路別売上高(表2)

販路別売上高では、主力の「百貨店」が184億5,400万円(3.2%減)と伸び悩んだ。「FB(ファッションビル)・路面店」は31億4,600万円(6.7%減)だった。好調だったのは「EC・通販」で、34億9,700万円(34.8%増)と2ケタの増収。「FB・路面店」の売上額を上回った(表2を参照)。

財務面では、商品回転率が2.4と微減した。粗利率の低下もあり、交差比率が111.4(15.7ポイント減)と悪化している。しかし、期末の在庫は減少している。昨年度に実施した「希望退職関連の支出」で、「手元流動性資金」が減少した。その影響で、手元流動性比率が3.3(1.3ポイント減)と低下した。しかし、D/Eレシオは0.2倍、自己資本比率も60%台半ばをキープしており、深刻な状況ではない。

「EPOCA」「MACKINTOSH」が健闘

ブランド別の売上推移(実数は非開示)は、「EPOCA」(エポカ)が前年同期比109%。「コーポレート」も105%と堅調な推移だった。「LOVELESS」(ラブレス)は98%とやや伸び悩んだ。「MACKINTOSH PHILOSOPHY」(マッキントッシュ・フィロソフィー)が105%と健闘した。

「EPOCA」は、ブランディング強化が奏功し、店頭販売が好調に推移した。顧客に加え、新規客の取り込みを強化した効果が表れた。ECビジネスも好調で、57%増と大きく成長した。

通期の業績見通しに変更はない。14カ月の変則決算だが、売上高725億円、営業利益6億円、経常利益8億円、当期純利益7億円を計画している。

(樋口尚平)

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