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コックス、2019年2月期 連結決算
既存店が苦戦、減収・損失計上に

update: 2019/04/11

2019年2月期 財務数値一覧(表1)

2019年2月期
財務数値一覧(表1)

コックスの2019年2月期連結決算は、既存店の売上不振が大きく影響し、減収・損失を計上するに至った。経常段階では、2期連続の損失計上となった。新店や改装店舗、Eコマースは増収を達成し、堅調に推移した。

ECビジネスが順調に拡大

連結売上高は、191億2,700万円(4.6%減)の減収で、200億円台を割り込んだ。「ikka」や「LBC」など、主力のカジュアル業態が苦戦した。一方で、「ikka」のイオンモール対日店など旗艦店の改装後は好調に推移した。EC限定ブランド「notch.」は好調な推移だった(表2を参照)。

2019年2月期 ブランド別・部門別売上高(表2)

2019年2月期
ブランド別・部門別売上高(表2)

売上高総利益率(粗利率)は、地震や豪雨などの天災の影響もあり、店頭売りが停滞したため、在庫の早期処分を進めた結果、51.6%(2.8ポイント減)と大きく落ち込んだ。販管費率の増加もあり、営業損益は、13億4,900万円の営業損失となった。

経常段階では、11億2,100万円の経常損失。前期に続いて、2期連続の損失計上に至った。当期純損益は、減損損失や災害による損失などの「特別損失」4億円を計上した影響もあり、当期損失16億5,000万円と前期よりも、損失幅が拡大した(表1を参照)。

期末の店舗数は238店(出6、退26)。不採算店舗を閉鎖し、計画よりも退店数が10店多くなった。実店舗は苦戦を強いられたが、Eコマースは計画通りに推移した。売上高は14億6,600万円(22.4%増)と2ケタの増収を達成した。EC限定ブランド「notch.」は対計画比で、29.5%増と順調に推移した。

SPA改革で経費削減、店頭の接客力を強化

期末の棚卸資産(在庫)は削減が進んだ。しかし、店頭在庫が滞った影響でマークダウンが増加。在庫は削減されたが、利益率も低下する結果となった。販売力の強化をめざし、既存ブランド「TOKYO DESIGN CHANNEL」を再編するほか、EC限定ブランド「8marull」を4月からスタートする。また5月には、新規ブランドの立ち上げを計画している。

今期は、SPA改革を推し進めて、収益構造を変革することで黒字転換を目指す。具体的には、①バリューチェーンを見直し、プロパー消化率の向上を図る、②EC事業の拡大、③支援体制の強化に伴う働き方改革、の3点に力を入れる。

「SPA改革を推し進めて、収益構造を変革」では、AIやITの導入より、経費削減や商品企画の精度向上に取り組む。一貫したブランドマネジメント体制を構築し、商品ラインナップの見直し、ブランドの世界観の統一などを進める。こうして削減したコストを店頭へ再配分し、接客力の強化を図る計画だ。

通期の業績予測は、連結売上高190億円(0.7%減)、営業利益1億5,00万円、経常利益3億円、当期純利益3,000万円。売上高は微減収と前年並みの水準だが、損益面では黒字転換を目指す。

(樋口尚平)

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