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アダストリア、2019年2月期 連結決算
上期の苦戦もあり微減収、経費削減効果で増益に

update: 2019/04/05

2019年2月期 財務数値一覧(表1)

2019年2月期
財務数値一覧(表1)

アダストリアの2019年2月期連結決算は、主力ブランドが堅調に推移したものの、上期(3-8月)の苦戦が影響し、微減収となった。利益面は、経費削減効果により増益を達成した。主力の「グローバルワーク」「ニコアンド」が健闘した。新たにスタートした米国ビジネスが堅調に業容を拡大している。

販管費率の低下が収益性の改善に貢献

連結売上高は2,226億6,400万円(0.1%減)で微減収だった。上期(3-8月)の苦戦が尾を引いたが、下期(9-2月)は既存店ベースの売り上げも前年を上回り、復調傾向にあった。主力ブランドは健闘したが、2番手グループのブランド群が苦戦した(後述)。

売上総利益率(粗利率)は53.9%(0.3ポイント減)と微減。販管費率が50.7%(1.3ポイント減)と削減できたこともあり、営業利益は71億9,000万円(43.7%増)と増益を達成した。経常利益は73億4,500万円(35.3%増)と2ケタの増益だった。当期純利益は、前期に計上した特別損失が減少したこともあり、38億9,000万円(350.3%増)と大幅な増益となった(表1を参照)。

期末の店舗数は1,427店(74減)。国内合計では1,342店(出80、退114)。アダストリア単体では、1,262店(出66、退92)。ブランド別では、「グローバルワーク」が213店(出8、退5)、「ニコアンド」が139店(出9、退2)、「ローリーズファーム」が139店(出3、退13)など。

海外ビジネスは苦戦傾向に

2019年2月期 ブランド別・地域別売上高(表2)

2019年2月期
ブランド別・地域別売上高(表2)

ブランド別の売上高では、主力の「グローバルワーク」が408億7,100万円(1.8%増)と堅調に推移した。「ニコアンド」は309億5,600万円(9.0%増)と2ケタ近い増収で、1年を通して好調な推移だった。200億、100億円規模の2番手ブランドが伸び悩んだ。「スタディオクリップ」は236億4,100万円(2.8%減)。「ローリーズファーム」は224億9,100万円(7.9%減)と苦戦した。「レプシィム」は148億600万円(3.3%減)。新規ブランドで多店舗化が進んでいる「ベイフロー」(10増の49店)は、87億8,300万円(11.1%増)と順調に業容を拡大した(表2を参照)。

海外ビジネスは、一部地域で業容が拡大しているものの、全体的には伸び悩んでいる。最も売上規模の大きい「香港」は減収・損失幅が増加した。「中国」も減収で、損失幅が増加。「台湾」は増収を達成したが、減益となった。前期からビジネスをスタートした「米国」は売上規模が拡大し、損失幅も縮小しているため、黒字化が現実味を帯びてきた(表2を参照)。

一方、WEB事業(ECビジネス)は好調だ。国内のEC売上高は405億円(16.0%増)と順調に拡大を続けている。自社ECの会員数は約870万人(170万人増)と増加している。今期も引き続き強化を図る新規分野だ。

通期の業績予想は、連結売上高2,250億円(1.0%増)、営業利益100億円(39.1%増)、経常利益100億円(36.1%増)。増収増益を計画している。                                  

(樋口尚平)

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