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千趣会、2018年12月期 連結決算
主力の「通販事業」が苦戦、減収・損失を計上

update: 2019/02/13

2018年12月期 財務数値一覧(表1)

2018年12月期
財務数値一覧(表1)

千趣会の2018年12月期連結決算は、主力の「通信販売事業」の苦戦が影響し、減収・損失を計上するに至った。「ブライダル事業」などほかのビジネスは健闘したが、通販事業の落ち込みをカバーするまでには至らなかった。

ブライダル事業が健闘見せる

連結売上高は1,133億4,400万円(10.0%減)と2ケタの減収となった。「通販事業」の落ち込みが大きく影響した。売上高総利益率(粗利率)は42.6%(0.7ポイント減)と悪化した。売り上げの減少や原価率の悪化がマイナス要因となった。販管費率は46.2%(0.5ポイント減)と微減したが、粗利率の落ち込みが上回った。その結果、営業損失が40億6,300万円(前期は42億8,700万円の営業損失)となった。

経常段階でも同様に、42億7,700万円(前期は42億600万円の経常損失)の経常損失を計上した。当期損失は60億2,700万円(同110億9,000万円の当期損失)。前期に計上した減損損失などの特別損失が約50億円減少したことから、当期損失の額が減少した(表1を参照)。

2018年12月期 セグメント別売上高(表2)

2018年12月期
セグメント別売上高(表2)

セグメント別では、主力の「通販事業」が売上高864億5,200万円(14.6%減)と2ケタの減収となった。バーゲン品や処分品が増加した影響で、原価率が悪化した。販管費はカタログのページ数や部数を減らすなどの努力で減少したが、原価率の悪化をカバーできなかった。セグメント損益は、56億3,300万円の営業損失(前期は57億700万円の営業損失)となった。年間の購入者数は278.4万人(45.3万人減)と減少した。新規の購入者数も68.6万人(6.6万人減)と減少した。

健闘したのが「ブライダル事業」で、売上高は193億8,600万円(6.9%増)、営業利益が10億400万円(4.3%増)と、規模は小さいが増収増益を達成した(表2を参照)。既存店における組数の増加、および単価の増加が貢献した。

3カ年計画で黒字化を目指す

同社では、2019年を初年度とする3カ年の中期経営計画を策定した。最終年度の2021年には、営業利益40億円を確保し、黒字化を目指す。売上高は事業に適した規模に縮小し、2021年度では920億円を計画する。通期(2019年度)では、マーケティングの見直し、カタログの強みの最大化、開発・生産・調達構造の見直し、に着手する。

主力の通販事業の強化策として、主要顧客である女性層において、「子育て」ステージと「自分磨き」ステージの2つの大きなニーズを中心に商品企画や顧客の接点、販促などを改善する。また、ブライダル事業では、営業力の強化や周辺事業の展開、既存施設のリニューアルなどを実施し、収益基盤の強化を図る。

通期の業績見通しは、連結売上高940億円(17.1%減)、営業損失7億円、経常損失11億円、当期純利益43億円の見通し。  

(樋口尚平)

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