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H&Mグループ、2018年11月期 連結決算
増収するも、経費増で減益に

update: 2019/02/04

2018年11月期 財務数値一覧(表1)

2018年11月期
財務数値一覧(表1)

アパレルSPAショップ「H&M」などを展開するH&M(Hennes & Maurits=ヘネス&マウリッツ)グループの2018年1月期連結決算は、店舗数の増加やオンラインの売り上げが増えたこともあり、増収を達成した。利益面では、マークダウン販売の増加や出店およびECへの投資が増えたこともあり、減益に至った。日本ディビジョンでは店舗が増加したこともあり、増収を達成した。

米国、フランス市場が苦戦

グループ全体の連結売上収益は、2,104億スウェーデンクローナ(約2兆5,248億円、1スウェーデンクローナ=12円で換算)、5.2%増と堅調な推移だった。マークダウンの販売の増加などが影響し、売上高総利益率(粗利率)は52.7%(1.3ポイント減)と減少した。販管費率が出店やオンラインへの投資の影響もあり、45.3%(1.5ポイント増)と増加した。

その結果、利益面では、営業利益が154億9,300万スウェーデンクローナ(約1,859億1,600万円、同)、24.7%減と減益となった。金融項目控除利益は156億3,900万スウェーデンクローナ(約1,876億6,800万円、同)、24.8%減で同じく減益に至った。当期純利益も126億5,200万スウェーデンクローナ(約1,518億2,400万円、同)、21.8%減で減益となった(表1を参照)。

2018年11月期 地域別売上高(表2)

2018年11月期
地域別売上高(表2)

地域別の売上高では、主力「Germany」(ドイツ)が323億6,700万スウェーデンクローナ(約3,884億400万円、同)、4.5%増と堅調な推移だった。2番手の「USA」(米国)が247億9,800万スウェーデンクローナ(約2,975億7,600万円、同)、5.8%減と苦戦した。「United Kingdom」(英国)は137億6,000万スウェーデンクローナ(約1,651億2,000万円、同)、9.0%増と好調な推移だった(表2を参照)。

2ケタの増収だったのは「China」(中国)で、107億4,300万スウェーデンクローナ(約1,289億1,600万円、同)、13.3%増。本国の「Sweden」(スウェーデン)は84億400万スウェーデンクローナ(約1,008億4,800万円、同)、2.0%増と堅調な推移だった。「Japan」(日本)ディビジョンは45億7,300万スウェーデンクローナ(約548億7,600万円、同)、2.3%増。店舗数の増加も後押ししたと見られる。

オンラインビジネスが順調に拡大

期末の総店舗数は4,968店(375増、146減)。主力業態の「H&M」は4,433店(145増)。「COS」は270店(39増)、「Monki」が127店(8増)、「Weekday」が38店(5増)だった。

新規チャネルの開拓では、オンラインビジネスの売り上げが順調に拡大している。売上規模は300億スウェーデンクローナ(約3,600億円、同)、22.0%増と2ケタの増収だった。グループ全体の売り上げに占める比率も14.5%(2.0ポイント増)と着実に増えている。

財務面では、減益の影響で一部の数値が悪化した。効率性指標では、商品回転率が2.8回転と前年並みだったが、粗利率の低下により、交差比率が悪化した。D/Eレシオは有利子負債の増加、および自己資本の減少の影響で増加した。

(樋口尚平)

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